関東でチェーン展開する「信濃屋」はお酒やおつまみを中心に輸入食品なども数多く取り扱っていて、珍しいものが欲しくなったら覗いてみると、いつも期待を裏切らない品ぞろえ。今回は「あん肝のみそ漬」を買ってみた。
信濃屋はスーパーマーケットと酒販店の2種類があるが、都内でよく見かけるのは酒販店の方。お酒はワインからビール、日本酒までいろいろあってながめていて飽きない。おつまみの方もドライフルーツやチーズから干物まで多種多様。
今回買った「あんこうの肝のみそ漬」は福島県の菅野漬物食品が「香の蔵」というブランドで展開しているもののひとつで、お値段は799円(税別)で内容量は45g。パッケージも高級そうだ。
艶のある紙箱を開き、きっちりと密封した中身を開封すると、すぐにミソがぷんと香る。あん肝のオレンジの脂といりまじり、いかにもおいしそうだが、肝心なのは、ガーゼにくるまってミソに埋まっているあん肝の方。
そっと取り出してていねいにミソをぬぐい、皿にうつす。軽く触れるだけで崩れそうに思えるほど柔らかい。包丁を入れる前に十分冷蔵庫で冷やしておかないときれいに切れないので注意。
さっそく、ひときれとって食べてみると、こってり濃厚。魚介のうまみを圧縮したような強い風味だ。あん肝の個性が前面に出るが、あとから負けじとミソの匂いも感じて、やがて口の中で一体になって味覚と嗅覚を占領する。
まるで魚介できたチーズ。とにかく舌にやわらかく、とろけるようで、くちどけがよく、さらっとしていて、意外とねばりけは感じない。
ごはんのおかずにもよいかなと、一瞬考えたが、白米と一緒に食べてもこの濃厚さは生かしきれないので、やはりピリっとした辛口の日本酒か焼酎のあてにするのが最良だろう。