東京・渋谷の「VIRON(ヴィロン)」といえば行列ができるモーニング人気店。でもランチもおいしい。昼下がりにお店に寄れば、ブレッドやケーキをゆったり楽しめる。
昼下がりのヴィロンへ
ヴィロンは、フランスのパンやケーキの販売とレストランで有名。渋谷駅からBunkamura通りの右側をまっすぐ進んだ先。赤い壁が目印。朝は入店しづらいぐらいにお客が多いが、昼下がりともなれば空いていることもある。
1階の販売フロアでケーキ1個でも買えば、2階のレストランに座ってゆっくりくつろげる。お腹が空いていれば、フランスパンのサンドイッチを購入するのもよい。
今回はサンドイッチ「プーレロティ」(778円、税込、以下同じ)とケーキ「ボストック・ア・ラ・ピスターシュ」(389円)を購入した。
飲み物は2階のレストランフロアに上がってから注文する。ホットコーヒーの「エスプレッソ」(410円)や、アイスコーヒーの「カフェ グラッセ」(680円)などがある。冷たいお水もグラスに入って出てくるので、ホットを頼んでもかまわない。
プーレロティ
サンドイッチのプーレロティは自家製ローストチキンのマスタードマヨネーズ和えに、ニンジンのサラダであるキャロットラペ、バターを挟んだもの、とのこと。
見た目が、好きなベトナムのサンドイッチ「バインミー」を連想させるので選んでみた。かじるとフランスパンの歯ごたえがかなり強い。そして、たっぷりと遠慮なく塗ってあるバターの味が口にひろがり、罪深いおいしさを感じる。
ローストチキンはやわらかく、マスタードは風味を引き立てるものの主張は強くない。むしろキャロットラペのシャキシャキとした歯ざわりとニンジンの香りの方をはっきり感じる。
皮のしっかり厚いフランスパンを半本ほど使っているので、何度も噛みちぎっているうちに、すっかりお腹いっぱいになる。昼ごはんとして十分な量だ。
ボストック・ア・ラ・ピスターシュ
だが甘いものは別腹。ボストック・ア・ラ・ピスターシュはブリオッシュ生地にラム酒入りシロップとフランボワーズジャムとピスターシュクリームを入れている、とのこと。
素朴な外見に反して複雑なお菓子だ。ナイフとフォークがついているので切り分けてみると、ピスタチオの緑に染まった生地の下に、ラズベリーの赤紫がのぞいている。
切って口に運ぶと、しっかりと洋酒の香り。アーモンドスライスはパリパリ、ブリオッシュはサクサク。でもピスターシュクリームの沁んだ部分はしっとりしていて、フランボワーズの部分に到達するとトロリとする。ひとつのお菓子の中によくこれだけ色々な食感をつめこんだものと驚く。
ピスタチオのいろどりは美しいが、味としてはラズベリーが勝っていて、ラム特有の甘い匂いにも負けない。
サンドイッチもケーキも食べ終わったあとも、まわりの席には余裕があったので、飲み物を片手にもうしばらくゆっくり。渋谷にいるのがうそのようにのんびりした時間を過ごせた。
VIRON(ヴィロン)
東京都渋谷区宇田川町33-8
住所:東京都渋谷区宇田川町33-8