冷たいパンプキンスープ
補欠のメニューとして期間限定だが「冷たいパンプキンスープ」(149円)も挙げておく。相手が前述の3品のうちいずれかを好まなかった場合、あるいはまだちょっと食べ足りなかった場合に、この冷たいスープはありがたい味方になってくれる。
クリーミーな割に後味がさっぱりしていて、かぼちゃの味も舌にやさしくクセがないのが長所。ただシェアには向かないので2皿頼むか、自分は相手が口をつけなかった料理を引き受けつつ、さりげなく1皿勧める。
シナモンフォカッチャ
いよいよデザート。デートにおいては主菜より重要な部分といえる。「シナモンフォカッチャ」は見栄え、香り、サイゼリヤらしさを満たしたスイーツ。特別感を出すためにミルクアイスのせ(319円)を選ぶ。
とにかくテーブルに置かれた瞬間からムンムンするほどのシナモンの匂い。ワインを干して気分が高まった2人にぴったりのスパイスだ。
いつものように丸ごとほおばりたいが今日はデート。ナイフとフォークで切り分けよう。なおフォカッチャの生地は薄いわりにしっかりしているので覚悟して挑むこと。間違っても「あれ?」「かたい…」などと口走ってはいけない。力強く優雅にカットしてたのもしさを演出する機会だ。
ティラミス(アイス)
余裕があるなら、デザートはもう1品。温かいフォカッチャと対になる冷たいティラミスを注文しておけば、華やかさがいっそう増す。洋酒が聞いた上品な甘みと、アイスの冷たさが舌を休めさせてくれる。
こちらはやわらかく、簡単に取り分けられる。やはり取皿と追加のスプーンを忘れずに頼んでおくとよい。口が甘くなりすぎたように感じたら、このタイミングでドリンクバーを追加するのもあり。お腹がくちくなったところで、ゆっくりとおしゃべりができる。
いかがだろう。初デートを飾るのに過不足ない陣容ではないか。
いつもサイゼリヤで食べる料理と同じでは、などと余計なかんぐりをしてはいけない。
同じ献立でもハレの場にふさわしいものを、という意気込みで選べば、普段と違った感慨を得られることが、新鮮な驚きとともに発見できるはずだ。
ちなみに、これらのメニューを考えてから一人で黙々と平らげると、とてもおいしいのになぜか胸がいっぱいになり、少し涙まで出ることを、記者も新鮮な驚きとともに発見した。試す際は必ず誰かと一緒に行ってください。