
土用丑の日はいつも気になりつつ手を出せないでいた食材を買うよい機会。そう「うなる美味しさ うな次郎」のことだ。
うな次郎は、魚のすり身でできたうなぎのかば焼き風。新潟の一正蒲鉾が作っている。ふわふわした食感と本格派のタレが合い、数あるうなぎ風の食べものの中でも人気がある。世間が土用丑の日でにぎやかになると、ちょっと購入したくなる一品だ。

ただスーパーなどでもお店によって置いているかどうかはまちまち。今回は東京都内のオーケーストアで1パック240円(税込)で入手した。

お昼ご飯のつもりで「うな次郎丼」に。パックライスを温めて丼によそい、うな次郎をあたためて載せるだけなので超簡単。箸でご飯と一緒に口に運ぶと、やわらかい食感。魚のすり身でこうした舌ざわり、歯ざわりを出せるのは驚く。ただ噛んだあとにかすかにプニプニした弾力があって、やはりすり身だと分かる。

魚の風味は控えめだがちゃんとある。うな次郎の人気を支えるタレをたっぷりかけるとより「うなぎ感」が高まり、「うなぎではない食材でうなぎを表現したい」というメーカーの工夫や意気がよく伝わってくる。
でも、うなぎではないからこそのよさもある。まず大胆なアレンジが楽しめる。本物のうなぎだと、つい遠慮して決まった調理法や薬味以外を控えてしまうが、うな次郎はあまり気がねしなくていい。今回はいろどりにたっぷり刻みネギをのせてみたが、意外に合う。ネギのしゃきしゃき感と香りが、うな次郎のやわらかさやタレの甘辛さを引き立てる。
山椒も付属のものだけでなく、別に瓶で買ったものをどっさりかけると、強い香辛料の味とうな次郎の風味やタレの濃さがぶつかり、舌の上でからみあって、和のジャンクグルメという楽しさがある。


ただ色々試すうちにお腹はすぐいっぱいになってしまう。パッケージに入っている時はそこまでボリュームがあるとは見えなくても、実際はかなり量がある。
今度買う時は薄く切って、刻んだきゅうりとあえて「うざく」風にしたり、葉物野菜の上に散らしてサラダにしたりして、おつまみにしても良いかもしれない。キレのよいビールや日本酒が合いそう。