米国ニューヨークで生まれた「Shake Shack(シェイク・シャック)」。若者を中心に絶大な支持を誇り、行列ができる人気ハンバーガーチェーンです。2016年中には日本にも上陸する予定。ファンも多く、心待ちにしている人が多いようです。

かくいう私(筆者)もそのひとり。とはいえ、ウワサだけは聞いているものの、実際に食べたことはありません。そもそも本当に行列ができているの?そんなにおいしいの? ずっと気になっていた私は、米国を訪れた折、“始まりの店”ともいえる、MADISON SQUARE PARK(マディソン・スクエア・パーク)の店舗に行ってみました。


NYでシェイク・シャックに行ってきた
NYでシェイク・シャックに行ってきた

マディソン・スクエア・パークは、5番街沿いの23thストリートから26thストリートにわたって広がっています。近くにはユニオンスクエアもある、高層ビル街の真ん中に広がる静かな公園。遊具で遊ぶ子どもたちがいたり、散歩を楽しむ人がいたりと、ゆったりとした時間が流れています。そこへ突如出現する行列。これがシェイク・シャックの行列なのです。

私が到着したのは、平日の13時15分頃。店舗に近づくと屋外にイスとテーブルが並べられていて、大勢の人でにぎわっています。特に晴れて気温が上ったこの日、日陰の席は満席!

注文しようとカウンター側にまわってみると、大行列を発見しました。アメリカ人は並ぶのが嫌いと聞いたことがあるのですが、道に沿うように人々がぐるりと列を成しています。その数およそ60人。見たところ、ニューヨーク以外から来たと思われる人も多く、海外からの観光客もちらほらいるようです。

おお、並んでる…!しかも色々な言語が聞こえてくる
おお、並んでる…!しかも色々な言語が聞こえてくる

それにしてもみなさん、きっちりと並ぶものなのですね。特に大きなトラブルもなく、行列は前へと進んでいきます。

途中でメニュー看板を発見したので、内容を確認します。同店の主役はもちろんハンバーガー。看板メニューのShackBurger(シャック・バーガー)に、スモークベーコンを合わせた SmokeShack(スモーク・シャック)など、ハンバーガーだけで計5種類あるようです。また、シャイク・シャックの原点ともいえるホットドッグが4種、サイドメニューのフライドポテト、隠れた(?)人気メニューだというシェイクやアイスクリーム、そしてドリンクがラインナップされていました。さらに、 公園ならではでしょうか、犬用のメニューもあります。

ふむふむ
ふむふむ

結局オーダーできたのは13時40分頃でした。限定のParkBurgerも気になったけれど、初体験の私はシンプルに、シャック・バーガーのシングルと、フライドポテト、あまりの暑さに我慢ができなくなってビールを注文。会計はしめて14.85ドルでした(レストラン価格だ…)。並び始めてから注文し終えるまでにかかった時間は30分弱。並んでいる人数の割にスムーズだったかも。

会計をすませると、アイコンのバーガーマークがプリントされたブザーを渡されます。まるでフードコートみたい。10分ほどでブザーが鳴り、待望のビール…いやいや、シェイクシャックのバーガーを手にすることができました。

このマークかわいい
このマークかわいい

受け取りカウンター近くに置いてある、ケチャップとマスタードを入手し、奇跡的に木陰の席を見つけたのでダッシュ。いやー、暑すぎて茹だる。思わずビールをひとくち。ふう。

さて、初めて対面したシェイク・シャックのハンバーガーは、いわゆるグルメバーガーのような巨大さはなく、片手でも持ちやすい大きさです。バンズにチーズ、スライストマト、レタスとソースを合わせただけと、いたってシンプルなつくり。色鮮やかな野菜はハリがあって、新鮮さを感じます。

これがシャック・バーガーだ!
これがシャック・バーガーだ!

さっそくいただきます。…何コレ、うんま!!! ほんのり甘みを感じるバンズは、海外のパンにしては珍しく、ふわりと優しい口どけ。そこにパティから染み出る肉の旨みが加わり、チーズのコクとソースもあわさって見事なハーモニーを奏でています。バーガーキングや今秋日本に再上陸するCarl's Jr.(カールスジュニア)などの、“ザ・アメリカン”な味と比べると、なかなかに繊細な味わい。イヤミが全くなく、アメリカよりも日本でこそ人気が出そうです。包み紙の防水性能が低いのか持っていると手がベタベタしてきたのは気になったけど、味はバツグン。並んででも食べてみてよかった。

紙がベタつく前に食べきる努力を…
紙がベタつく前に食べきる努力を…

カリカリとクリスピーなポテトは、ちゃんとジャガイモを切って揚げてます!という味がします。そして、私が密かに感動したのはビール。ShackMeister Aleと名づけられたこのビール、Brooklyn Brewery(ブルックリン・ブルワリー、話題のエリアにある醸造所だ!)がシェイクシャックのために作ったものなのだとか。飲み口は濃い目ながら、驚くほど後味がすっきりとしていて、ハンバーガーというよりはポテトとものすごく、ものすごく合います。日本でも出してくれたら嬉しいけど、難しいかな。別の店舗にはなかったので、販売店舗が限られているのかも。

ポテトはギザギザタイプ
ポテトはギザギザタイプ

ニューヨーカーをとりこにしているシェイク・シャックのハンバーガーは、1個で5.19ドルと決して安くはないけれど、行列ができるのも納得の味わいでした。これだけ価格が高いのには、理由があります。同店のウリは“品質の高さ”。例えばパティには、成長ホルモンや抗生物質を使用していない100%米国産のアンガスビーフを使用するなど、“自然な”食材にこだわっているそうです。

ちなみに、ニューヨークでは、公園など公共スペースでの飲酒が禁止されています。しかしこの店舗は、公園の中にテーブルがあるため、心地よい風(と強烈すぎる太陽光)を受けながら、ビアテラスのような気分で楽しめます。加えて、店舗スペース以外にもベンチがたくさんあるためか、これだけ行列ができていても満席になることはありませんでした。天気さえよければ、一番ストレスなく堪能できる店舗かもしれません。

周辺のお店でテイクアウトした料理を楽しむ人も
周辺のお店でテイクアウトした料理を楽しむ人も

実はニューヨーク滞在中にほかの店舗も見に行ったのですが、タイムズスクエア近くにあるTheater Districtの店舗は日中も深夜も大行列。Upper West Sideの店舗も、コアタイムではないのに満席でした。ジョン・F・ケネディ空港では、早朝からハンバーガーを求める人の姿が。“NYで大人気”というのは本当だったようです。

ミュージカル終わり、23時頃にTheater Districtにて。  大勢の人があくびを噛み殺しながら並んでいました
ミュージカル終わり、23時頃にTheater Districtにて。
大勢の人があくびを噛み殺しながら並んでいました

空港でも人気!
空港でも人気!

記事を書いていたら、また食べたくなってきた…。日本でのオープンが待ちきれない!どんなメニューが用意されるのでしょう。そして、日本でもブームを呼ぶのでしょうか。