コショウ。インド地方から世界へ広まったそれは多くの人々を魅了し、我々の食生活を支えてくれている。かつては金と同等の価値を持つほどに珍重されていたという魅惑の香辛料。だが、悲しいかな、主役になることはない。

そんなコショウを贅沢に使い“主役”に据えたつけ麺「つけペッパー」(税込1,080円)が、東京・秋葉原の麺屋武蔵 巌虎(いわとら)で6月10日から提供されている。

コショウが主役のつけ麺「つけペッパー」
コショウが主役のつけ麺「つけペッパー」

太麺に、麺が隠れるほどまとわりついた黒いコショウ。スリランカ産、ベトナム産、マレーシア産をミックスしてあるらしい。その真っ黒な麺の上には牛肉が鎮座し、白髪ねぎがのっている。頂上を華やかに彩るのはピンクペッパーだ。麺をつけるスープにももちろん、コショウの姿が見える。これらをあわせて、総勢5種のコショウが使われているそうだ。

これでもか!と麺にふりかけられたコショウたち
これでもか!と麺にふりかけられたコショウたち

まずは思いきり香りを吸い込む。柑橘を思わせる爽やかな香りと、コショウらしいスパイシーな香りがガツンと脳天を直撃する。

続いて、何もつけずに麺を食べる。コショウらしい刺激はある。だが、香りから想像していたほどの刺激的な辛さはなく、コショウの“香り”をそのまま食べているかのような感覚。

今度はスープにつけてみる。一言でいうならば「尖っていた味がマイルドになる」のだが、甘みのある豚骨スープにコショウの香味がよく合う。こってりした豚骨のはずなのに、コショウのおかげかどこかさっぱりした後味となる。

スープにもコショウが浮いている
スープにもコショウが浮いている

牛肉とネギもまた、コショウを引き立てる脇役だ。牛肉にかかっているのは甘みのあるステーキだれ。これでネギを巻いて食べてもおいしい。だが、麺とともにスープにつけてすすると、より味わい深くなる。さらに、麺が入った器の底には別途たれを敷いてあるようで、食べ進めると味の変化も楽しめる。

牛肉、ネギ、麺を、ともにスープにつけて
牛肉、ネギ、麺を、ともにスープにつけて

食べ終えて帰る頃には体が芯から温まったように感じた。一般的な激辛とは少し異なる食後感は、コショウ特有ではないだろうか。あえて麺にしなくても、とは思ったものの、スープ、麺、具と、1品でさまざまな組み合わせを楽しめるのは、つけ麺ならではないかもしれない。少なくとも筆者は、これだけ多くのコショウを1度に食べたのは初めてだった。1日20食限定で7月上旬までの提供予定とのこと。

ちなみに、同店の卓上には「麻辣粉」と「ライム酢」が置いてある。件(くだん)のつけペッパーは、これらと非常に相性がよい。コショウの刺激だけでは満足できなくなってしまったら、サッと加えてみてほしい。

とくに麻辣粉は、ぜひ試してほしい
とくに麻辣粉は、ぜひ試してほしい