東南アジア随一の経済都市シンガポール。複数の民族が混ざって成立しているため、さまざまなルーツを持つ料理を食べられるグルメ大国でもあります。せっかくならおいしい店を食べ歩きたい!

今回えん食べ編集部は、現地の“B 級グルメ”本「Makansutra(マカンスートラ)」編集部や、人気ブロガーがオススメする「屋台グルメ」を巡る24時間サバイバルツアーに参加。数あるストール(店)のなかでも、現地の“プロ”がおすすめする絶品料理を食べ歩いてきました。


この記事は、シンガポーリアンの台所、ホーカーズ センター(以下ホーカーズ)にあるショップを中心にご紹介する、後編です。(前編もどうぞ)

6.シンガポールいちおいしい「ミークア」

シンガポールで一番おいしいミー クアって?
シンガポールで一番おいしいミー クアって?

「シンガポールいちおいしい Mee Kuah(ミークア)が食べられる」と食通たちが口をそろえる、Mamu Kitchen。野菜やシーフードの旨みが溶け込んだスープは、どちらかというと甘め。このスープがしっかりと麺にしみこんでいて、麺とスープがガッチリと一体化しています。大きな具がゴロゴロと入っているのもポイント。

シンガポールのミークアは、もちもちした太麺に、トマトやシーフード、スパイスなどで作ったとろみのあるスープを絡めたものです。まるで「あんかけ焼そば」みたい。スープが真っ赤だったり、いろいろとバリエーションがあるようです。

7.「チャー クェイ ティアオ」はこってり味がクセになる

チャー クェイ ティアオって、発音が難しい
チャー クェイ ティアオって、発音が難しい

Char Kway Teow(チャー クェイ ティアオ)は、幅広の米麺をチリソースや醤油などで炒めた中国系の料理です。海鮮がたっぷり入っていたり、ちょっと甘い中華ソーセージが添えてあったりと、お店によってアレンジはさまざま。Hill Street Fried Kway Teow のチャークイティオには、スプリングオニオン(ネギのこと)が入っていました。

同店がある Bedok South Food Centre は、シンガポール東部の Bedok という街にあります。近くに学校や工場があるため朝と昼が混雑するそう。マレー系の料理が充実しているそうです。

8.移転してもファンが通う人気店の「クェイ チャップ」

モツや卵もおいしいクェイ チャップ
モツや卵もおいしいクェイ チャップ

ラザニアみたいな幅広の米麺が入ったスープ、Kway Chap(クェイ チャップ)。醤油ダレで煮た豚モツや卵、豆腐などが入っています。真っ黒な見た目に驚きますが、味付けは醤油ベースで意外とあっさり。アクセントにチリソースを入れるのを忘れないで。

Toa Payoh Food Centre にある Guan Kee Kway Chap は、素材の新鮮さと煮込む技術がウリなのだとか。現在の地に店舗を移転してもファンが通う人気店。店主が老齢のため営業時間も短くなっているそうです。消えゆくお店のひとつにならないことを祈るばかり。

9.深夜しか食べられない「ナシ レマ」

深夜でも行列ができる、ナシ レマの店がある
深夜でも行列ができる、ナシ レマの店がある

Nasi Lemak(ナシ レマ)は、ココナッツミルクを入れて炊いたご飯とチリソースを組み合わせたマレー系の人気朝食メニュー。フライドチキンや固いゆで卵、魚のフライ、キュウリなど、数種類のおかずを盛り合わせます。

私たちが訪れた Boon Lay Power Nasi Lemak は、深夜しか営業していないというちょっと変わった店。24時をまわっていたにも関わらず、30人以上が並んでいました。彼らは、周辺の工場や市場などで働く人たち。「深夜でも出来たてが食べられる」と大人気なのだとか。

10.「ナシ パダン」には何をのせる?

もはやどれが何か分からないナシ パダン
もはやどれが何か分からないナシ パダン

インドネシア風の定食 Nasi Padang(ナシ パダン)。ご飯といろいろなおかずを組み合わせて食べます。マレー系のナシ レマと似ているけれど、こちらの方が“おかずが主役”な気がします。

Geylang Serai Market にある Hajjah Mona Nasi Padang のナシ パダン。大人数用の大皿とはいえ、もやし、フライドチキン、煮込んだ肉、フライドフィッシュなど、皿の上はバイキング状態です。サンバルという調味料が味の決め手。最後にどばっとカレーをかけるのもおすすめだそうですよ。

店頭にはたくさんの料理が並ぶ
店頭にはたくさんの料理が並ぶ

◆シンガポーリアンはとってもグルメ!

ホーカーズやコーヒーショップ(喫茶店ではなく、ホーカーの集合体のこと)、フードコート、レストランと、飲食店がたくさんあるシンガポール。多くの人が外食中心の生活を送っているため、シンガポールのお宅のキッチンはとても“キレイ”なのだとか。共働き家庭も多く、家で料理をするよりも、近くのホーカーズへ食べに行く方がラクチン。朝食もランチもディナーもホーカーズで、なんてことも珍しくないそう。ホーカーズはまさに市民の台所なのです。

それだけ外食が続いていれば、当然グルメになるわけで…。「あのホーカーズのあのメニューがおいしい」と聞くと、週末にわざわざ食べに行ったりするそうです。「あの人の舌も大したことないわね」なんて言葉が交わされることもしばしば。それだけ、自分の舌への自信と味へのこだわりが強いということかもしれません。

◆行列は人気店の証!

星の数ほどあるストールの中からおいしいお店を見つけるのは大変。そんなときは、人気の証“行列”をチェックしましょう。グルメなシンガポールの人々は、並んででもおいしい店で食べるのです。もっとも、オフィス街に近い店だと、ランチタイムに混雑しているだけ…ということもあるようですが。また、多くのお客さんが同じものを食べている場合も、おいしいお店があるってことかも。周囲を見回して“出どころ”を探してみましょう。

人気店には並ぶんだ
人気店には並ぶんだ