エースコックから、“減塩”カップ麺『かるしお認定 だしの旨みで減塩』シリーズが発売されました。国立循環器病研究センター(以下、国循)による「かるしお認定」を受けた加工食品第1号です。つまり“病院が認める減塩商品”。なんとも味気なさそうな気がするのですが…。

プロが認めた「減塩カップ麺」っておいしいの?
プロが認めた「減塩カップ麺」っておいしいの?

実は、「かるしお認定」を行なう国循(コクジュン)は“おいしい減塩”のプロ。2012年に発売された、減塩・低カロリーでおいしいレシピが満載のレシピ本「国循の美味しい!かるしおレシピ」(セブン&アイ出版)は大ヒット。“日本一おいしい病院食を出す”ともいわれ、注目されています。「かるしお認定」制度では、減塩の度合いはもちろん、国循のスタッフに「おいしい」と認められた商品だけに GO サインが出るのです。


その加工食品第1号が、「おいしさそのまま」で「塩分30%カット(※1)」がウリの同シリーズです。2013年から販売されていましたが、リニューアルして「かるしお認定」を受けました。

ラインナップは5種類
ラインナップは5種類

カップ麺といえば塩分のカタマリ。通常サイズのカップ麺ひとつで、1日あたりの摂取量めやすの上限(※2)にほぼ達してしまいます。減塩とは月とスッポン、大きなへだたりがありそうなものです。それを埋めたのは、「だしのうまみ」と「香辛料・素材のうまみ」でした。

エースコックの担当者によると、例えば、一番人気の「鶏炊きうどん」は、鶏だしに柚子胡椒を加えてアクセントに。「小海老天そば」は、和風だしと小海老天の風味がポイントなのだとか。さらに、スープの減塩だけでなく麺の減塩も大切。塩分を減らすと麺のコシがなくなってしまうため、バランスを取るのに苦労したそうです。

筆者も「小海老天そば」を試食したところ、味が薄いとは感じませんでした。しょうゆの濃さに慣れている人からすると物足りないかもしれませんが、「減塩=味気ない」という印象はありません。想像以上にしっかりとコクを感じました。

「塩分を摂りすぎるとよくない」ことは分かっていても、カップ麺は食べるし、みそやしょうゆといった日常的に使う調味料から、気づかないうちにたくさん摂ってしまっています。「かるしお認定」が広まれば、減塩を意識した商品選びの参考となるかもしれません。なにより、“おいしい減塩のプロ”が認めた味。やっぱりおいしくないと!

※1 文部科学省「日本食品標準成分表2010」 中華/和風スタイル即席カップ麺(油揚げ麺)との比較によります。
※2 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書(2014年3月発表)では、18歳以上の男性で1日あたり8.0g 未満、18歳以上の女性で1日あたり7.0g 未満という目標量が定められています。