米国フィラデルフィアには、壁一面ポストイットで埋め尽くされたピザ屋がある。その理由が実に心を揺さぶると話題になっているので、ご紹介したい。

壁一面にポストイット!その理由は?
壁一面にポストイット!その理由は?

米国メディア NPR によると、くだんのピザ屋 Rosa's Fresh Pizza では、お客がホームレスの人のために、1ドルごとに“チャージ”することができるそう。お金をチャージするごとに、お客はメッセージを書いたポストイットを壁に貼り付けていく。このポストイットがホームレスの人にとっての“食事券”となり、1スライスのピザと引き換えることができるのだ。


新しい「寄付」のかたち
新しい「寄付」のかたち

同メディアによると、このシステムがスタートしたのはおよそ1年前。あるお客が、ホームレスの人のためにピザを買うことはできないかと店主の Mason Wartman さんに申し出たそう。Mason さんはお客からの寄付金を受け取り、そのことがわかるようポストイットに書いて貼り付けたのがきっかけだとか。

以来、店にやってくるお客が次々と1ドルをチャージしては、壁にポストイットを貼っていくようになったそう。現在ではこのことが口コミで広がり、1日30~40人のホームレスの人たちが“フリーピザ”を食べに店へやってくるそうだ。

1人が始めた行動に、多くの人たちが共鳴
1人が始めた行動に、多くの人たちが共鳴

「Enjoy The Pizza(ピザを楽しんで)」や「Have A Nice Day!(よい1日を!)」「Bless You(神のご加護を)」など、お客からの心温まるメッセージがあふれるポストイット。中には、ホームレスの人からのお礼のメッセージもある。

以下、感謝のメッセージの一部を要約したものだ。

「私はすべてを失った。でも、この世界には気に掛ける人とそうでない人がいる。そして今日、Mason は私を助けてくれた。ありがとう」

「私はここで6年間ホームレスをしているが、人々がこんなふうに協力して社会を変えようとしてくれていることがとても嬉しい。Rosa's は、私たちの扱われ方を変えるきっかけとなってくれた」

「寄付してくれた全員に、ただありがとうと言いたい。Rosa's は私に毎日食事する場所を与えてくれた。おかげさまで、明日から新しい仕事を始めるよ!」

感謝のメッセージもたくさん貼られてる
感謝のメッセージもたくさん貼られてる

これは、格差社会によるホームレス問題が根深いアメリカならではの光景なのかもしれない。けれど、偏見や社会問題に対する意識の低さというのは少なからず日本にもある。Rosa's とお客たちが起こした行動から学べることは多いのではないだろうか。

「Stay Positive!」
「Stay Positive!」

※画像の出典は Rosa's Fresh Pizza 公式 Facebook ページ