ハンバーガーのおともとして欠かせない「フライドポテト」。ところが昨年12月、マクドナルドが「マックフライポテト」の販売を一時的に制限。1月に入って、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)からも、ポテトの販売を一時休止するとの発表がありました。ポテトファンはやきもきしたのでは。
いずれも原因は、アメリカ西海岸における港湾労使交渉の長期化により、原材料の安定的な調達が難しくなったため。港での貨物の出入りがほぼ停滞し、船便を利用して「ポテト」を輸入することが難しくなっているというのです。沖合いには、港へ入れず待機している船もたくさんあるのだとか。
ここでふと疑問に思ったのです。「ほかの店からもポテトが消えるのではないか」と…。そこで、ハンバーガーを販売する大手チェーン店のうち、マックとケンタッキーに加えて、バーガーキング(BK)、モスバーガー、フレッシュネスバーガー、ロッテリアの“ポテト事情”について調べてみました。
◆緊急措置をとるマクドナルド
マクドナルドでは、12月に一時期販売が縮小されたものの、1月5日から全サイズでの販売が再開されています。航空便や東海岸からの船便などを利用することで、調達の目処が立ったそうです。
とはいえ、あくまでも緊急措置。根本的には解決していません。もしかしたら、またポテトが消えることになるかもと、不安がぬぐえません。
◆ケンタッキー・フライド・チキンは販売休止
ケンタッキーは、1月22日にポテトの販売休止を発表。Web サイトのメニューを見てみると、単品はもちろん、セットメニューからもポテトがごっそりとなくなっています。替わりに入っているのがコールスロー。健康面を考えると、ポテトよりコールスローの方が良いかもしれませんが…複雑な気分です。
(出典:KFC 公式サイト)
◆代替商品のバーガーキング
バーガーキングではすでに、12月から「代替えポテト商品」が提供されていたようです。
同店のフライドポテト「BK フレンチフライ」は、細めで、ちょっと皮が残っているのが特徴でした。ところが、同様の理由で入手が難しくなり、在庫がなくなった店舗から代替品が提供されているとのこと。代替品は、細めであることは変わらないけれど皮のないタイプ。“皮付き”ファンにとってはショックな変更です。
◆カナダ産だから大丈夫なモスバーガー
モスバーガーによると、ポテトの原産国は「カナダとアメリカ」。これは影響を受けそうだぞと思いきや、特に休止や制限のお知らせはありません。広報担当者に確認したところ、「ほとんどをカナダから輸入しているため、販売に影響はありません」とのことでした。
◆ロッテリアもカナダ産
ロッテリアの「フレンチフライポテト」には、主にカナダのジャガイモ「ラセット・バーバンク」が使われているそうです。こちらも特別なお知らせはないので、モスバーガーと同じように影響を受けていないのかもしれません。
◆創業から「国産」一筋のフレッシュネスバーガー
フレッシュネスバーガーのフライドポテトは、1992年の創業時から国産。北海道の契約農場で栽培された「北海コガネ」という品種のジャガイモを使っているそうです。輸入ではないため、アメリカの労使交渉の影響を直接受けることはなさそう。
結果、アメリカからポテトを輸入しているマック、ケンタッキー、バーガーキングは、もれなく影響を受けていることが分かりました。一方、輸入ではあるけれどカナダがメインのモスバーガー、ロッテリアは、今のところ影響なし。フレッシュネスは国産ジャガイモを使用しているため、直接的な影響は受けにくそうです。
労使交渉そのものは解決に向けて動き出しているようですが、元通りになるまでにはまだまだ時間がかかりそう。ハンバーガーチェーン以外の店からもポテトが消えるかもしれません。今のうちに食べに行くか、冷凍フライドポテトを買いだめしておくか…。おなじみのポテトが“アメリカ産”の方はご注意を!