ぐるなび総研から、その年を象徴する「食」を選ぶ「今年の一皿」が発表されました。第1回目の開催となる今年、2014年の一皿として選ばれたのは「ジビエ料理」。また「今年の食流」に「高級かき氷」、「今年の食材」に「うなぎ」が選ばれました。

2014年「今年の一皿」は「ジビエ料理」  (画像:発表会でふるまわれた「蝦夷小鹿の赤ワイン煮込み」)
2014年「今年の一皿」は「ジビエ料理」
(画像:発表会でふるまわれた「蝦夷小鹿の赤ワイン煮込み」)

「今年の一皿」は、飲食店情報サイト「ぐるなび」内のデータや会員へのアンケートなど通じて、その年に話題となった「食」のキーワードを抽出、メディア関係者をはじめとした有識者による審査を経て決定されます。2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことから企画されたそうです。

◆2014年の一皿「ジビエ料理」

ジビエは、シカやイノシシなど食用の野生鳥獣を指すフランス語。ヨーロッパでは古くから特別な料理として親しまれてきた“冬のごちそう”です。日本ではあまりなじみがありませんでしたが、厚生労働省が衛生管理や調理法に関する指針を示したこともあり、飲食店での提供が本格化しました(ベッカーズ「信州ジビエ 鹿肉バーガー」など)。実際ぐるなびにおいて、「ジビエ」という単語を含む店舗数は昨年の同じ時期の約2倍に、ぐるなび内で「ジビエ」が検索された回数は3.6倍以上に増えたそうです。

長野県産鹿肉を使った「信州ジビエ 鹿肉バーガー」
長野県産鹿肉を使った「信州ジビエ 鹿肉バーガー」

2014年は、コンビニやファストフードでも鹿肉が使用されるなど急速に消費者の間に浸透した「ジビエ元年」。野生鳥獣による農作物への被害が深刻化しているなか、捕獲された鳥獣を有効においしく活用することで、新たなビジネスの誕生や地域振興につながるとも期待されています。今後も普及が見込まれることを考え、新たな日本の食文化の誕生として「今年の一皿」に選定されました。

◆2014年の食流「高級かき氷」

「今年の食流」は、その年に世間で大きな話題となった代表的な食の流行が選定されます。

2014年の食流として選ばれたのは、生の果実や天然素材のシロップ、リキュール類を使ったものなど、バラエティ豊かな商品が次々と登場した「高級かき氷」。ぐるなび内での検索数は、前年の約700%に増加したそうです。年中かき氷を販売する専門店も相次いでオープン(六本木「yelo」など)したほか、既存店でもユニークなかき氷が発売されたり(MAMANO「チョコレートスノーマウンテン」、塚田農場「みぞれ山崎」など)、1,000円越えのかき氷に行列ができ、かき氷自体が来店の目的となるなど、かき氷を取り巻く状況が大きく変わりました。

塚田農場「みぞれ山崎」
塚田農場「みぞれ山崎」

加えて、かき氷の材料となる「天然氷」も注目されたことから、古くから伝わる職人の技と文化が世間に知られた意義の大きさも選定理由となったそうです。

◆2014年の食材「うなぎ」

その年に大きな注目を集め、食文化に新たな価値観をもたらすきっかけとなった食材が選定される「今年の食材」。2014年は「うなぎ」が選ばれました。

うなぎを食べ続けられる未来へ  (画像はイメージ)
うなぎを食べ続けられる未来へ
(画像はイメージ)

うなぎをめぐっては、国際自然保護連合(IUCN)が、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定したことが大きなニュースとなりました。かつては高級食材でしたが“価格破壊”によって庶民でも食べられるものとなり、養殖に使われるニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)の漁獲量は減少しています。

世界的なうなぎの研究者・塚本勝己さん(日本大学生物資源科学部海洋生物資源学科)は、「消費者の意識を変えなければならない」と警鐘を鳴らします。乱獲をやめ、“ゆっくり味わうごちそう”へ。「このすばらしい食文化を先の世代まで守り発展させたい」という思いを込めて、今年の食材に選定されました。

ニホンウナギは遥か遠く、マリアナ沖で産卵します
ニホンウナギは遥か遠く、マリアナ沖で産卵します

「(この発表を)1年の食を振り返るきっかけにしてほしい」と、企画発案者の小山薫堂さん(ぐるなび総研理事)。さらに、「パリコレがファッションの潮流を世界に発信するように、日本の食流が海外へ広がっていくきっかけになり、また食をひとつの文化として記憶していくことにつながれば」と話します。

すばらしい食材と調理技術を持つ日本の料理は、「和食」の世界遺産登録をきっかけとして以前にも増して関心を集めています。日々必ず向き合うことになる「食」。5年後、10年後、20年後、2014年を振り返ったときに皆さんが思い出すのは、どんな食事でしょうか。