浅草 亀十のどら焼

観光地として、国内外から人が集まる東京・浅草。和食や和菓子などのお店も多い。

浅草 亀十

そんな中でもひときわ人気の和菓子店が「亀十(かめじゅう)」だ。テイクアウト販売のみにも関わらず、平日・休日問わずお店の前には行列ができている。場所は浅草寺・雷門のほど近く。


浅草 亀十の店頭風景
雷門すぐ近くの和菓子店「亀十」

客の主な目当ては、名物のどら焼。お店の開店は朝10時だが、昼過ぎ~夕方早めの時間には売り切れることがほとんど。逆にいうとお店の前に行列ができていれば、まだどら焼がある可能性が高い。

今回は平日13時頃より、30分ほど並んで入手。周りの客を見ると、贈答用なのかどら焼や最中を数十個単位で購入する人も珍しくなかった。

浅草 亀十の行列(平日)
平日でもこの行列

亀十 どら焼

亀十のどら焼(1個315円)、とくに皮は、見た目も味も一般的などら焼とは異なる。焼き目がまだらになっているのだ。

浅草 亀十のどら焼
まだらな焼き目が特徴

食感はふんわりやわらか。きめが細かく、繊細に口どける。タマゴの風味が感じられ、パンケーキのようでもカステラのようでもある独特の味わいだ。

中身は「黒あん」「白あん」の2種。黒あんは粒あん、白あんはこしあんだ。

黒あんは小豆の風味豊かで濃厚。甘さはさほど強くないが、重めの質感で口の中に長く留まり、満足感を与えてくれる。

浅草 亀十のどら焼
黒あん

一方の白あんは、黒あんに比べさらりとしており、より上品な甘さ。まれにいんげん豆の細かな粒が入っており、食感のアクセントとなっている。

浅草 亀十のどら焼
白あん

いずれもふわふわの生地に抱き込まれ、口の中に柔らかく甘みを広げる。舌で感じるおいしさだけでなく、食感で口の中に気持ちよさを感じさせてくれる贅沢な一品だ。1個315円はどら焼としては高価だが、価格以上の幸福感を約束する。

浅草 亀十のどら焼
大きめサイズでボリュームもあり

亀十 最中

「浅草名物」と銘打って販売されている最中(1個305円)も、あん好きは見逃せない。せっかく並ぶのだから、合わせて入手した。

浅草 亀十 もなかの看板
店頭ではむしろもなかを宣伝している

こちらも中身は「黒あん」「白あん」の2種。どらやきと同じあんが使われている。

浅草 亀十のもなか
もなかも黒あんと白あんの2種
(別に季節限定商品が登場することも)

薄く華奢なもなか生地。口にすると「サクッ」という軽い音を立てたのち、あんに溶けてはかなく消える。

浅草 亀十のどら焼
黒あん

もなか自体の存在感は薄く、主役のあんをより引き立てる仕立て。あんの甘さや風味、おいしさを存分に味わいたい人におすすめだ。

浅草 亀十のどら焼
白あん

亀十にはこの他にも「豆大福」「きんつば」「松風」や干菓子各種など、さまざまな和菓子がそろう。とはいえやはり筆者も一押しはどら焼。時間が許せば、並んででも一度は体験してほしい。