スペースフード「たこ焼き」
宇宙飛行士の気持ちになってみよう

むかし誰かが言っていました。仕事の数だけ、その仕事を支える食事がある――。

先日、自衛隊の食事から生まれた「ミリメシ」をご紹介しました。今回はこれに続き、宇宙飛行士のみなさんが食べている“宇宙食”をご紹介したいと思います!

◆地上で食べられる“宇宙食”

といっても本当に宇宙で食べられているものではなく、宇宙食と同じ「フリーズドライ製法(急速に凍結して乾燥させる方法)」でつくられた商品のこと。「スペースフード」といって、株式会社ビーシーシーから販売されています。

筆者は六本木で開催中の「宇宙と芸術展」で手に入れましたが、通販サイトなどでも購入可能。

スペースフード ラインナップ
今回手に入れたスペースフード

ラインナップは「お好み焼き」「たこ焼き」「チキンライス」「ライスケーキ(おもち)」「チョコレートケーキ」の5種類。ただし、このうちライスケーキ(おもち)だけは実際にスペースシャトルでも使われた宇宙食なんだとか!

えん食べ編集部で食べてみたところ、味にはけっこう振れ幅がありましたが、ものによってはめちゃくちゃおいしくてビックリ!以下、おいしかった順にご紹介します。

●1位、ライスケーキ(おもち)

5つの中で唯一、スペースシャトルで食べられたというライスケーキ。プラスチック容器に、四角くて平たいおもちが6枚と、パックに入ったきな粉が入っています。

スペースフード「ライスケーキ(おもち)」
ガチのやつ

スペースフード「ライスケーキ(おもち)」
おもち6枚ときな粉が入っています

容器は“水皿”と“きなこ皿”に分かれているので、おもちを取り出し、水皿に冷水をなみなみと注ぎます。

スペースフード「ライスケーキ(おもち)」
左側の水皿に冷水を注いで(お湯はダメ)

水におもちを1枚ずつ浸します。すると数秒で水を吸ったおもちが息を吹き返し、ふっくら、もったりとした本来の粘りを取り戻しました!

スペースフード「ライスケーキ(おもち)」
おもちを1枚ずつ投入

スペースフード「ライスケーキ(おもち)」
とろり

これを隣のきなこ皿に移し、たっぷりときなこをまぶして食べるのです。

スペースフード「ライスケーキ(おもち)」
きな粉をまぶして

スペースフード「ライスケーキ(おもち)」
できあがり!

うっまーーい!! きなこは砂糖も混ぜてあるので程よく甘く、モッチモチのおもちに絡んで口いっぱいに香ばしい和の風味を広げます。しゃりしゃりっとした歯ごたえもアクセント。さっきまでぱさぱさだったとは思えないクオリティの高さに感動すら覚えます。6枚全部食べると相当お腹いっぱいに。

●2位、チョコレートケーキ

食感をのぞけば完全無欠だったのが、チョコレートケーキ。

スペースフード「チョコレートケーキ」
フリーズドライのチョコレートケーキ

手に持ってみると、めっちゃ軽い。重量にして22gです。通常のケーキ1カットと比べると、5分の1ほどでしょうか。

スペースフード「チョコレートケーキ」
水分飛ばすと軽くなりますね

口に入れると「カシュッ」。ケーキを食べた時には鳴るはずのない音がします。そのうち口の中の水分を吸ってしっとりしてくると、食感は「しみチョコ」にも似ているかも。ちゃんと“クリーム部分”と“スポンジ部分”に分かれていて、前者の方がややしっとり感が強い気がします。

スペースフード「チョコレートケーキ」
フォークが刺さらない

噛むほどに水分を取り込みながら、ゆっくりと溶け広がるチョコレートのほろ苦さとコク、そして上品な甘み。その味わいはまるでトッ○スのチョコレートケーキのように本格的です!

●3位、たこやき

3位が、たこやき。たこ焼きの形をした駄菓子ってあるじゃないですか、あんな感じを想像していたのですが…

スペースフード「たこやき」
たこ焼き系の駄菓子を想像していたら…

開けてみると、思っていたのと違う!想像以上においしそうなきつね色のフリーズドライたこ焼きが、ころんと4つ出てきました。見た目のクオリティが高い!

スペースフード「たこやき」
あらやだおいしそう!

ひとつほお張ると、予想を裏切るおいしさ。つんとくるショウガの辛み、粉もの特有の生地の風味と、こんがり焼かれた香ばしさ。中にはちゃんとタコも入っていて、たこ焼きを構成する要素のどれ一つとして欠けていません(水分以外)!

スペースフード「たこやき」
硬くてザクザクしているけど、味は紛れもなくたこ焼き

タコに関しては、口に入れた瞬間こそ硬くて味気ないものの、ザックザックと噛むほどにうまみがジワジワ出てきてめちゃくちゃビールが飲みたくなりました。

●4位、お好み焼き

たこやきと僅差で4位になったのが、お好み焼き。厚めのおせんべいみたいですね。

スペースフード「お好み焼き」
なにわの定番、お好み焼き

食べてみると、ガチガチに硬くてかっさかさに乾いてはいるけれど、味は紛れもなくお好み焼き!原材料にもキャベツや小麦粉、ショウガ、アオサ、ウスターソースなど、お好み焼きには欠かせない食材が使われていて、ザクザク噛んでいると、口の中にちゃんと甘辛いソースやショウガの味が広がっていきます。

スペースフード「お好み焼き」
2枚入りです

ふわふわの焼きたてお好み焼きもおいしいけれど、ザクザク噛んで食べる硬めのお好み焼きもアリ!スナック菓子感覚で楽しめます。たこ焼きと並んで、おつまみにぴったり(?)なスペースフード。

スペースフード「お好み焼き」
ちゃんと具材が入っていますね

●5位、チキンライス

国産のお米を使った、フリーズドライのチキンライス。人によって好みが分かれる商品だと思います。個人的には、ごはんはやっぱり水分があった方がいいなあと思いました。

スペースフード「チキンライス」
トマトの酸味をしっかり効かせたチキンライス

袋を開けると、さらさら…っと乾いたごはんが出てきました。トマトケチャップで味付けされているので見た目は赤く、ほんのり甘酸っぱい香りもあります。具材は鶏肉、グリーンピース、玉ねぎ。

スペースフード「チキンライス」
下の方にグリーンピースで北斗七星つくりました

ごはんは口に入れてもさらっさらのままで、噛むとバリバリ、もさもさします。たくさんほお張ると口じゅうの水分を奪われるので、少量ずつモグモグしながら食べるのが吉。トマトケチャップの味は、確かにします。が、やはりちょっと食べづらい…かも。

スペースフード「チキンライス」
見事に水分が飛ばされています

ザクッとしたグリーンピースはスナック菓子のようで、ビールのおつまみにぴったり。鶏肉はカシュッと乾いた歯ごたえがあり、口の中の水分を得てチキンのうまみを放ちます。具はおいしいんですが、やっぱりごはんがちょっと残念。お湯で戻して食べようかとも考えましたが、そういうことじゃない気がしたので思いとどまりました。

スペースフード ラインナップ
宇宙から、無事帰還

とにかく5品を食べてみて思ったのは、水って大事ということ。水分が飛ばされるだけで、こんなに味の感じ方って違うんですね~。水の惑星・地球。その神秘と偉大さに改めて気づくことができたところで、今回の結びとさせていただければと思います。