ヤッホーブルーイング「SORRY UMAMI IPA」

「よなよなエール」のヤッホーブルーイングが、輸出専用につくったビール「SORRY UMAMI IPA(ソーリーウマミ アイピーエー)」が、この秋、日本国内でも1度だけ販売されることとなった。

これが、なかなかにぶっ飛んでいる。なんと原料に「かつおぶし」を使っているというのだ。米国のイベントへ出展したときには、「魚入りのビールなんて初めて!」とたいそう盛り上がったらしい(筆者だって初めて聞いたが)。

発売を前に、特別に試飲させてもらった。かつおぶし入りビール、どのような味に仕上がっているのだろうか。

◆スペックを確認

まずは、このビールの“基本スペック”を確認しよう。

ビアスタイルは、Experimental White IPAという位置づけ。アルコール度数は7%とやや高めだ。原材料は、麦芽、ホップ、コリアンダーシード、オレンジピール、そして「かつおぶし」。

ヤッホーブルーイング「SORRY UMAMI IPA」用のカツオプレート
カツオ。

◆飲んでみる

とにもかくにも、飲んでみないことには分からない。

ヤッホーブルーイング「SORRY UMAMI IPA」
いざ!

「かつおぶしの味がするのか」がもっとも気になるところだが…結論からいうと、「しない」。魚っぽさも、拍子抜けするくらいに全くない。

はじめ、モモのようなジューシーな香りとフローラルな香りの中に、クリーンな苦みを感じる。これがすっと引いてまろやかさが残り、後になると、うまみがじわじわと奥行きを増して口いっぱいに広がっていく。「後味がすっきりしていて飲みやすい」が「どちらかというと玄人好みでは」という印象だ。

ペアリングにおすすめな“和の味わい”は、例えば、魚料理。刺身といった生の状態よりも、こってりした煮付けなどのほうがおすすめらしい。ほか、山形の郷土料理「だし」、柿や栗もよく合うそうだ。

これ、少しだけ温度をあげて飲むと、面白い変化を見せる。香りがふくらみ、“うまみ”をより豊かに感じられる。もっとも、香りが立つと、人によっては“かつおぶしを感じる”ようになるようだが。

◆なぜかつおぶしなのか

かつおぶし入りだが、かつおぶしの味はしないビール。かつおぶしはどこへ“消えた”のだろう。

開発担当者によると、そもそも、“魚”の味や香りを出すために入れたのではない。かつおぶしのうまみ成分を利用して活発な発酵をうながし、より豊かな「エステル」(香り成分)を生成。これに、さまざまなホップをあわせることで、“香りのハーモニー”を追求しているという。

ヤッホーブルーイング「SORRY UMAMI IPA」試飲会
マジメにプレゼンをしているのだが、

ヤッホーブルーイング「SORRY UMAMI IPA」試飲会
コッチが気になって仕方がない

ヤッホーブルーイング「SORRY UMAMI IPA」試飲会
カツオ。

もうひとつ、“和への徹底したこだわり”もかつおぶしを選んだ理由だ。海外市場へ向けて「ジャパニーズクラフトビール」をアピールするために、“日本ならでは”の素材を使いたかったとか。さらに、「UMAMI(うまみ)」の語を製品名に入れた。

ヤッホーブルーイング「SORRY UMAMI IPA」試飲会
ニボシやカニも候補にあがったらしい

◆国内販売は一度だけ

もともと国外向けに開発したため、国内販売の予定はなかった。しかし、ファンからの要望が多く、今回、一度だけ国内でも販売することなったそうだ。

公式オンラインショップ「よなよなの里」では10月1日より販売中。続いて、ローソンやポプラ(一部店舗をのぞく)でも10月18日から販売される。年内には終売見込みとのこと。

ヤッホーブルーイング「SORRY UMAMI IPA」試飲会
缶のデザインもカッコイイ

この機会を逃すと、おそらく、二度と(国内では)飲めない“かつおぶし入りビール”。温度変化も楽しみながら、じっくり時間をかけて味わってみてほしい。