麺屋武蔵「金乃武蔵」シリーズ、武骨相傳「水つけ麺」
「水」を追求した1杯、感動のおいしさ!

「よっぽどのどが渇いていなければ、水を飲まずに待っていてください」――いつものように試食にうかがうと、そう案内されました。その方が「すっと入ってくる」というのです。

人気ラーメン店、麺屋武蔵の20周年記念企画「金乃武蔵」。各店舗持ち回りで月1回、1年かけて特別なラーメンが提供されます。いよいよ後半戦、第7弾は、上野・武骨相傳「水つけ麺」。シリーズ初のつけ麺です。

テーマは文字どおり「水」。全体の70%をしめるという「水」に、とことんこだわった1杯です。

主役の「水」は、名水百選にも数えられる「湧玉池(わくたまいけ)」(静岡県)で汲んできたものです。麺やスープはもちろん、麺をゆでるときや洗うときまで、とにかく全工程でこの水を使っているといいます。

麺屋武蔵「金乃武蔵」シリーズ、武骨相傳「水つけ麺」
湧水とほぼ同じ13度くらいで提供
夏にピッタリなひんやり麺です

その味わいを一言でまとめるなら、「澄みきったつけ麺」でしょうか。湧玉池の情景が脳裏をかけめぐり(写真しか見ていないけれど)、その場で水を飲んだような錯覚すら覚えるのです。

●麺は加水率50%

麺は、北海道産小麦「春よ恋」と湧水を使い、加水率(つくるときに加える水の量)50%で仕上げてあります。

通常、麺の加水率は、もっちり太麺で35%程度。加水率が高い今回は、一般的な製法では難しいため、ほぼ手づくりに近い方法でつくっているそうです。

ハスの葉をしいた金の器に、ほんの少し塩を加えた湧水をはって、麺をもりつけ。まずはスープにつけずにすすりましょう。湧水の「透明な」口あたりを春よ恋の柔らかい風味が支え、すとんと体になじみます。もっちりしているけど柔らかすぎず、きちんとコシがある、この食感も好み。

おいしいそばにはきれいな水が欠かせない、そのココロが分かった気がしました。ほかで春よ恋の麺を食べたこともあるのですが、水が変わるとここまで風味が違うのか!と、ビックリ。

麺屋武蔵「金乃武蔵」シリーズ、武骨相傳「水つけ麺」
“包丁切り麺”ならでは、角ののどごしも良いかんじ

●透明で繊細な「スープ」

店長さんが「静岡まで水を汲みに行くこと」以外に苦労したというのが、つけスープづくりです。

湧玉池は、水面の水草や藻と底のそれの区別がつかないくらい透きとおっています。見た目でもその透明感を表現したいと思ったものの、かなり困難を極めたとか。

「うまみ」をだすために選んだのは、アワビです。でも、ただ煮込んでスープをとると白濁してしまいます。そこで、一夜干しにしてから丁寧に調理することで、ちゃんとうまみや塩味はあるけど透明なスープが完成しました。

その「水面」に浮かぶジュンサイは、湧玉池の水草みたい。つるん、ぷりっと、食感のアクセントにもなる存在です。

麺屋武蔵「金乃武蔵」シリーズ、武骨相傳「水つけ麺」のスープ
ここに「池」が!

麺をつけてすすると、「あ、水...」と思わずつぶやいてしまうくらい、澄みきった味! さらに、湧水と同じ静岡のきれいな水で育ったワサビもからめると、雄大な自然をそのまま食べているかのような気すらしてきます。

…とまあ、ちょっとスピリチュアルな表現も使ってしまいましたが、それくらい全体で「湧水」を感じられるのです。たかが水、されど水。追求するとここまで変わるのかと、改めて水の力を思い知らされました。

なお、ワサビをスープに直接入れてはいけません。渡される別の器を使いましょう。アリとナシ、しっかりと味の違いを感じてほしいそうです。

麺屋武蔵「金乃武蔵」シリーズ、武骨相傳「水つけ麺」
ジュンサイとワサビ、最高です

●ユニークなスープ割り

さて、シメのスープ割りをいただきましょう。今回の場合は、麺の器にはってあった水をスープに加えます。れんげで1杯ずつ入れていきき、2杯くらいで一度止めるのがおすすめ。それくらい、風味が繊細なのです。

麺屋武蔵「金乃武蔵」シリーズ、武骨相傳「水つけ麺」
器に残ったハスの葉をパチリ
本当に、美しい水なのです

そしてホンモノのシメには、お茶が提供されます。玉露も加えた静岡の茶葉を湧水で“水出し”したものです。繊細な食事の後には、繊細な飲み物を。なんとも粋な心遣いです。

麺屋武蔵「金乃武蔵」シリーズ、武骨相傳「水つけ麺」のシメのお茶
口あたりの良い「うすはりグラス」で
このために買ったそうですよ

●きょうも静岡へ...

この企画で使う水の量は、なんと1日120リットル! きょう(7月27日)も朝から、静岡へ社長さん自ら汲みに行ってきたそうです。

麺屋武蔵「金乃武蔵」シリーズ、武骨相傳「水つけ麺」、湧玉池のようす
左:水汲み場で湧水を飲む店長さん、右:湧玉池
(写真は事前訪問時のもの)

麺屋武蔵「金乃武蔵」シリーズ、武骨相傳「水つけ麺」、湧玉池のようす
こんな風景が見られるのだとか

「水つけ麺」の提供は、7月28日から7月31日まで。価格は2,000円、1日10食限定です。