名物の陰の“ひそかな名品”を紹介する連載。20品目は、メゾンカイザーの「クロワッサン オザマンド」。
メゾンカイザーは、フランス・パリ発のブーランジェリー(パン店)。日本国内には首都圏のデパートなどを中心に31店舗を展開している(2016年6月現在)。人気商品は発酵バターを使ったクロワッサン、独自の小麦粉“メゾンカイザー トラディショナル”を使ったバゲットなど。
今回紹介するクロワッサン オザマンドは、クロワッサンをシロップに漬け、アーモンドクリームを挟んで焼き上げたもの。価格は330円(税込)。
形は平たく変則的。ころりと丸く、美しい巻きを持つクロワッサンだった頃の面影はない。上面にアーモンドクリームをかけ、粉糖とアーモンドスライスをトッピングして焼き上げてある。
アーモンドクリームはクロワッサン生地の中にも挟まれており、それぞれ上面はほろっと、中はしっとりとした口あたり。いずれからも濃厚な甘みとタマゴの風味、香ばしいアーモンドのコクが感じられる。
層の詰まったクロワッサンは、甘いシロップが染み込んでしっとり。噛むとバターの風味と、ほのかなラム酒の香りが広がる。この部分はパンプディングに少し似ているかもしれない。
ケーキのようにリッチで、「甘いものが食べたい」という欲求を見事になだめてくれる一品。ぜひ濃いめのブラックコーヒーと合わせ、甘さと苦みのハーモニーを楽しんでほしい。
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