そんな羊の焼肉専門店「羊肉酒場 悟大(ひつじにくさかば ごだい)」が3月11日、東京・水道橋にオープン。特有のくさみが“驚くほどない”羊肉を提供するとうたっている。
くさみこそが羊肉の好き嫌いを分ける要素だと思うが、それがない羊肉とはいかなるものか。気になったのでお店に足を運んだ。
●羊肉酒場 悟大(ひつじにくさかば ごだい)に潜入
お店の場所は、JR水道橋駅西口から徒歩数十秒。店頭は昭和の大衆居酒屋といった雰囲気。「羊」「あみやき」などのネオン看板が光る。
店内も店頭同様。ビールケースを重ねて天板をのせたテーブル、トタン風の壁、天井から釣り下がったランプなど、どこか懐かしさを感じさせる内装だ。
●悟大の羊肉は“網焼き”で楽しむ
羊の焼肉というと、中央が凸型になっているジンギスカン鍋を用いるのが一般的だが、悟大は違う。七輪を用い、通常の焼肉のように網で焼くのだ。これにより無駄な脂が落ち、肉の旨みが凝縮。さらに煙でいぶされ、味わいに深みが増すのだとか。
看板メニューはニュージーランドよりチルド状態で輸入される“生ラム”の特上肩ロースやラムチョップ。そのほか味付けられたロースや、タンやせせり、レバーなどの希少部位もある。
卓上に用意されたタレは、甘辛く濃厚な「秘伝のタレ」と、ちょっぴりスパイシーな「山本さん(羊肉の仕入れ先)のタレ」の2種。頼めばおろしポン酢も持ってきてもらえる。
◆特上肩ロース 850円(税別、以下同じ)
厚さ3cmはあろうかという、ぶ厚いラムの肩ロース。焼く前はきれいな赤色をしている。
表面を軽く焼いて肉汁を閉じ込めたら、ひと口サイズにカット。焼き具合はお好みで。
※カットは店員さんがやってくれる
肉質はやわらかながら、厚みがあるため噛みごたえ抜群。本当にくさみがなく、言われなければ羊だと気づかないかもしれないほど。噛むたびに肉の旨みが広がる。タレも良いが、さっぱりとしたおろしポン酢が特に合う。
◆ラムチョップ 1本750円
特上肩ロースよりさらにやわらかく、歯切れが良い。脂の甘みのなかに、かすかに羊の風味が感じられる。カットして食べても、そのまま豪快にかぶりついても。
◆ラムロース 650円
薄くスライスされたラムのロース肉。味付けは特製ダレまたはピリ辛ダレから選べる。今回は特製ダレをチョイス。
肉質は非常にやわらかく、シャキシャキとした野菜との食感のコントラストがあざやか。生ラムの2品に比べると羊の風味が強く感じられるが、それでも一般的な羊肉のイメージからすれば弱め。タレの味わいが濃厚で、ご飯が欲しくなる一品だ。
◆せせり 650円
せせりは首元の肉。希少部位で入荷量が少ないので、早めの注文が吉。
こちらもタレに漬け込まれており、噛むたびに肉の旨みをともなった濃厚な味わいがしみ出す。ロースに比べ少し筋張っており、噛みごたえが楽しめる。
◆特上タン 800円
こちらも希少部位。タン元の芯のみが使われているそうだ。
味付けは塩とレモン。コリッとした歯ごたえと、淡白ながら力強い肉の旨みが楽しめる。
なお通常の「タン」もあり、価格は680円となっている。
●そのほかのメニュー
そのほか、珍しいラムのベーコンやソーセージ各種に加え、〆の主食メニュー「ラム茶漬け」(450円)、「ラム焼きそば」(580円)なども。
●ドリンク
ドリンクも“ラム”が充実。「名物!燃える男のトマトマン」(450円)は、バカルディラムとトマトジュースを合わせ、レモンやソース、タバスコを加えて仕上げたカクテル。材料を聞くとやや不安になるが、これが意外にも美味。さわやかで甘酸っぱく、ちょっぴりスパイシーでクセになる。口の中がさっぱりとするので、肉の合間にぴったりだ。
底にレモンが沈んでいる
他にもスタンダードな「ラムコーク」(450円)、パクチーの風味がさわやかな「ラム・モヒート パクチー」(450円)、夕張メロンシロップ入りの「夕張ラムハイボール」(450円)などがラインナップ。もちろんビールやサワー、ワインなども豊富に取りそろえる。
●まとめ
くさみがないことで、何より羊肉の“肉としての旨さ”がダイレクトに楽しめた。とくに“生ラム”のメニューは、「羊肉=臭い」というイメージで敬遠していた人にこそ食べてほしい。くさみのなさに驚き、きっと羊肉が好きになるはずだ。一方でせせりやタン、レバーなどといった希少部位は、羊肉好きの人に。羊肉の新たな魅力に出会えるだろう。
なお取材日は平日でも満席だったので、事前に予約を入れた方が安心。また店内は煙が充満するため、洗いやすい服装で行くことをおすすめする(上着や荷物は包むためのビニール袋が借りられる)。
羊肉酒場 悟大 水道橋店
店舗所在地:東京都千代田区三崎町3-8-4 江戸川ビル1階
営業時間:15時~23時
定休日:日曜日