東京・六本木のラーメン店 麺屋武蔵 虎嘯(こしょう)で、「金乃[こしょう]ら~麺」が3月19日から3月22日まで販売されます。

1年かけ全店持ち回りで“特別なラーメン”を提供する、麺屋武蔵20周年企画「金乃武蔵」の第3弾。今回は“ストーリーを食べる”1杯だといいます。

第3弾は“こしょうラーメン”!
第3弾は“こしょうラーメン”!

■ストーリーというか、ダジャレ?

キーアイテムは胡椒(こしょう)。そう、店舗名が“虎嘯(こしょう)”だから、“[こしょう]ら~麺”なのです。

なんでも「ことば遊びでラーメンを発想する」がテーマだそうで。それに従い、中世ヨーロッパでは、こしょうが金と同等の価値をもつものとして取引されていたことから、「金」も重要なアイテムとして選ばれています。

つまり、スープも麺も具材も「こしょう」と「金」にちなんだものだらけ、という1杯。“ダジャレ”がいくつあるか数えながらご覧ください。

■今が旬!ぷりっぷりの「金」目鯛

金乃[こしょう]ら~麺は、金色の丼に入ったラーメンと、おにぎり、オリジナルブレンドこしょうの3点セットです。

紙にのりきらない(笑)
紙にのりきらない(笑)

ラーメンには真っ赤な皮が鮮やかな金目鯛がどんとのっています。一夜干しを「特製コショウ油」に漬けてから焼き上げてあるそう。ほどよくしまったぷりっぷりの身の上には「特製虎嘯醤」をあわせてあります。

このまま食べて、お酒飲みたい
このまま食べて、お酒飲みたい

金目鯛の横にはローストビーフ! 山形県産霜降り和牛のイチボを「コショウダレ」に2日間漬け、低温で仕上げてあるのだとか。口に入れたとたん、じゅわ~っと甘いアブラがとけてなくなります。とにかく柔らかい。

牛肉をあわせた理由は、こしょうによく合うから。そして、肉のうまみをあわせることで、ぐっとラーメンらしさが増すからだそうです。

尾花沢産の牛肉だとか
尾花沢産の牛肉だとか

タイもローストビーフも、コショウの辛さはあまり感じません。言われないと気づかないかもってくらい。素材の味わいをじっくりと楽しめます。

さて、豪華なトッピングを2つご紹介しましたが、筆者がもっとも感動したのはスナップエンドウでした。見た目はなんてことないエンドウ豆。でもパキッと噛むと、こしょうの実がはじけて爽やかな辛みが口いっぱいに広がるのです。

実は豆の中に“生胡椒”を入れてあるそう。細く開いた房のすきまから、ピンセットでひとつひとつ粒を入れるといいます。いやあ、細かい。

ひとくちで食べると、かなり強烈なこしょうのパンチが…
ひとくちで食べると、かなり強烈なこしょうのパンチが…

■めでたいスープと麺

スープは金目鯛と「胡椒」鯛(コショウダイ)がベース。なんとも“めでたい”スープです。

コショウの実のような模様があるからコショウダイ
コショウの実のような模様があるからコショウダイ

それぞれを一夜干しにし、昆布だしにどぼん。じっくり、ぐつぐつ。一夜干しにしたタイはうまみがぎゅっと凝縮されるため、スープの仕上がりも全く違うのだとか。口に含んだとたん、タイの香りがぐわんと広がり、そのウマさにめまいがしそう。

麺にも一工夫。「金」柑の皮を練りこんであるのです。よくよく見ると黄色いツブツブが確認できるでしょう。魚のアブラと柑橘系の香りはとても相性がよいのだとか。

■さあ、こしょうの出番だ!

そろそろこしょうの出番です。小さな器に入った「特性ミックスペッパー」。5種のこしょうをブレンドしてあり、好きなタイミングで、好きな量をかけて食べます。

虎嘯の店長さん、ものすごくこしょうが好きらしい
虎嘯の店長さん、ものすごくこしょうが好きらしい

スープの味わいをじゃましないよう、香りや刺激が強くなりすぎない絶妙なバランスで仕立ててあります(挽き加減まで変えて!)。金目鯛やローストビーフが“こしょう具合ひかえめ”だったのは、このペッパーでこしょうの世界を楽しんでもらえるように、という工夫なのだとか。

こしょうが加わることで、100度くらい(微妙!)表情がかわります。試食の際、どばっと全て入れてしまった人もいるらしいのですが、少しずつ調整しながらかけるのがおすすめです。

■ちっちゃな体にぎゅっと

最後は「鯛焼きおにぎり」をスープに入れて“鯛茶漬け”にします。小さなタイをスープの海にぽちゃん。崩すと中から何かが出てきました。黒い粒は、生胡椒の実。ほかにも、いぶりがっこや、辛めの特製虎嘯醤が入っているのだとか。

なんとなく、タイの形
なんとなく、タイの形

スープにぽちゃん
スープにぽちゃん

何か入ってる!
何か入ってる!

このお茶漬け、めちゃくちゃうまい。ラーメンのスープだってことを忘れて夢中で食べほしてしまいました。個人的には、別添えのミックスペッパーを、ここでたっぷりかけるのが好きです。

ちなみにこのおにぎり、家庭用たい焼きメーカーで作られています。スープに入っているものと同じタイのスープで炊き上げてあるため、ものすごく崩れやすいらしく。調整が大変なのだそうです。

左側の子は、うまくいかなかったみたい…
左側の子は、うまくいかなかったみたい…

■奥深きこしょうの世界

まとめると、魚介系塩ラーメンを、魚(というか鯛)に特化してとことん突きつめたイメージのラーメンでした。わりとなじみのある味なのに、新鮮な驚きがたくさんあります。

価格は2,000円。1日10杯限定です。前回の「獺祭 酒芳る河豚ら~麺」のときは、開店30分前までに並んだ人で売り切れてしまったというから、注目度も上昇中なのでしょう。次回、4月は、“流通の常識を破る”ラーメンだそうです。

ところで、取材時にさまざまなこしょうを味見させてもらったおかげで、こしょうにはまりそうです。もっかのターゲットは生胡椒。かんだ瞬間に爆発する香りの華やかさ、ヤミツキになります。