毎冬、東京都世田谷区で開催される「世田谷ボロ市」。400年以上の歴史を持ち、約700もの出店がある大規模な古物市だ。毎冬、年末と年始にそれぞれ2日ずつ、東急世田谷線世田谷駅および上町駅を最寄りとする「世田谷区ボロ市通り」で開催されている。

この市には「代官餅」という名物がある。ボロ市の開催時にのみ販売されるもちで、味は「あんこ」「きなこ」「からみ」の全3種。価格はいずれも1パック650円となっている。


自他ともに認める名物
自他ともに認める名物

味は3種
味は3種

今回えん食べ編集部では、3種とも入手することに成功。ひとつひとつレビューしていきたい。

代官餅を手に入れた!
代官餅を手に入れた!

■代官餅 あんこ餅

つややかに輝くあんこに覆われた、真っ白なもち。

コントラストが鮮やか
コントラストが鮮やか

おそらく6個入りだと思うのだが、持ち運びの約1時間でくっついてしまったのか、切れ目がわからない。

切れ目は
切れ目は

どこだ
どこだ

適当にあたりをつけてちぎり、皿に移した。

あんこをたっぷりのせて
あんこをたっぷりのせて

炊きたてと思われるあんこ。小豆と砂糖の距離感が絶妙だ。しっかり馴染んではいるものの、「さっき一緒になりました」とでもいうようなみずみずしさが感じられる。

もちは歯切れ良く、伸びはほどほど。ざらりとした舌ざわりに、米の面影を感じる。特殊さはないが、つきたてのやわらかさが歯に心地よく、純粋においしい。

■代官餅 からみ餅

ネギやミョウガ、海苔などが混ぜ込まれた大根おろしがたっぷりとまぶされている。こちらも切れ目は行方不明。

具だくさんの大根おろし!
具だくさんの大根おろし!

ダシの効いた薄めの醤油味。あと味にかけてピリッと辛さが広がるが、辛さに弱い人でも食べられる程度。薬味が添える鮮烈な風味とシャキッとした食感がアクセントになり、辛いというよりはさっぱりとした味わい。

辛さはそれほどでもなく、さっぱりしている
辛さはそれほどでもなく、さっぱりしている

なお運び方が悪かったためか、汁が袋の中で氾濫してしまった。移動の際は気をつけたい。

■代官餅 きなこ餅

上面に広がる、からみの汁(たぶん)によるシミ。本来はからりと均一な色をしているはずだ。

大根おろしの汁が…
大根おろしの汁が…

もちともちとの間をきなこが埋めているため、癒着は免れている。

きなこのお陰でくっついていない
きなこのお陰でくっついていない

口に含むと、きなこの香ばしさが広がる。舌が感じる分に加え、多分鼻からもきなこを吸い込んでいるので、ものすごく香ばしい。

さらさらとしたきなこが口内で水分を得てペースト状となり、もちに絡む。さらに噛むにつれ、きなこともちが一体化。甘く香ばしく柔らかく、口の中を支配する。少量加えられているとみられる塩が甘さを引き締め、味の輪郭をくっきりさせている。

これが一番好みだった
これが一番好みだった

今冬の世田谷ボロ市は本日16日が最後。開催時間は午前9時~午後8時。なお代官餅は例年大人気で、今回の購入には約1時間並んだ。売り切れることもあるようなので、気になる人はお早めに。

温かい格好でどうぞ
温かい格好でどうぞ