料理を華やかに彩る「桜えび」。誰でも一度は食べたことがあるかと思いますが、実は日本で水揚げされる場所はたった一か所しかないってご存知でしたか?それは、静岡県の駿河(するが)湾。恥ずかしながら私(筆者)は知りませんでした…ていうかそんな重大なこと、もっと世間にアピールした方がよくない?

「ウチの桜えびがお世話になってます」ぐらいの顔で
「ウチの桜えびがお世話になってます」ぐらいの顔で

というわけで、桜えび業界の過去も未来も一身に背負っているのにあまり知られていない(と思われる)静岡県の駿河湾・由比(ゆい)港へ行ってみました!


● 由比港で“獲れたて”の桜えびを味わう

はい、由比港へやってきました。由比駅から徒歩で約10分、静岡駅からだと車で30~40分くらいです。ここにある「浜のかきあげや」では、獲れたての桜えびを使った絶品の“漁師メシ”が味わえるのです。しかも目の前はすぐ海という臨場感たっぷりのロケーション。

手づくり看板が可愛い浜のかきあげや
手づくり看板が可愛い浜のかきあげや

目の前の港には船がぷかぷか気持ちよさそう
目の前の港には船がぷかぷか気持ちよさそう

まずは「漁師の沖漬(おきづけ)丼」(750円/税込、以下同じ)をいただきます。これは、生の桜えびを“秘伝のタレ”に漬けこみ、ごはんの上にたっぷりと盛り付けたもの。刻みのり、ねぎ、ゴマがトッピングされており、器のフチにはアクセントのわさびが。

漁師の“特製”沖漬丼、いただきます
漁師の“特製”沖漬丼、いただきます

生の桜えび、プリップリ!噛むと弾けて、中からとろりと甘い身があふれ出します。一匹一匹は小さいながら、ぎゅっと詰まった旨みはめちゃくちゃ濃厚!タレの味が控えめなので、桜えびのとろける甘みがダイレクトに味わえます。

わかってたけど、めちゃくちゃおいしい
わかってたけど、めちゃくちゃおいしい

続いて名物の「かき揚げ」(300円)。桜えびに葉ねぎを加え、少なめの衣でカラッと揚げてあります。一枚が大きく、直径10センチ以上ありそう。

港の風をもろに受ける大きさ
港の風をもろに受ける大きさ

ところでみなさま、桜えびのかき揚げと聞いてどんな食感をイメージされますでしょうか?えび殻のバリッとした歯ごたえだったり、おせんべいのようなやや硬めのザクザク食感だったり。

これ、違うんです。いったい何匹いるかわからない大量の桜えびをギュッとして揚げたかき揚げは、ひとかじり目はサックサク。ですが、すぐにフワッと柔らかい食感に変わるのです。そして香ばしさとともに広がるえびの旨み。殻は全然ガサガサしないし、口の中に刺さるような硬さもありません。家でも作りたいけど、同じようにはできないんだろうな~。

個々のえびの旨みと食感の主張がすごい
個々のえびの旨みと食感の主張がすごい

ちなみに、沖漬丼とかき揚げがセットになった「漁師の沖漬丼セット」(1,000円)もあるので、両方食べたい人にはこちらがオススメ。桜えびのダシが出まくりのおみそ汁(単品だと100円)も付いていてお得です。

また、沖漬丼を“お茶漬け”にして楽しめるスープも用意されているので、どんぶり半分くらい食べたらこれを器に注いでわしゃわしゃっとかき込むのもまた乙。より贅沢したい人は、沖漬丼にかき揚げをのせて、スープを注いで食べてみてください。水を得た魚ならぬ、ダシを得た桜えびがふっくらジューシーになり、また違ったおいしさが楽しめますよ。

スープをかけて味わう桜えびのお茶漬け
スープをかけて味わう桜えびのお茶漬け

● 港から歩いて1分の由比港漁協直売所が便利

このかき揚げ家でも作りたいな~と思ったら、港から歩いて1分のところにある「由比港漁協直売所」が便利。桜えびをはじめ、そのほか新鮮な魚介たちを買うことができます。家族やお友達へのお土産にも!

つい立ち寄りたくなっちゃう
つい立ち寄りたくなっちゃう

● 今は秋漁まっただ中。来年には「浜の市」も

桜えびの漁は年に2回、春と秋に行われます。今は秋漁の真っただ中。漁期は12月24日までだそうです。

秋の漁はクリスマスイブまで
秋の漁はクリスマスイブまで

ここ由比港では定期的に「浜の市」が開催されていて、桜えびを使った料理に加えて「いわしカレーコロッケ」や「静岡おでん」などの“ご当地グルメ”もずらりと集結するそう。次回の開催予定日は2016年2月14日…奇しくもバレンタインデーですね。漁港で楽しむバレンタイン、なかなかシブくていいんじゃないでしょうか?恋人が漁師じゃなくても、グルメな彼・彼女を誘ってぜひ!

また行きたい!
また行きたい!
由比港漁協「浜のかきあげや」
住所:静岡県静岡市 清水区由比今宿浜1127