写真家の小沢剛さんが「ベジタブル・ウェポン」プロジェクトをスタートさせたのは2001年。それ以来、小沢さんは世界各地を回り、現地のお鍋の具材で武器を作成。それを現地の女性に持たせた写真を撮影してきた。

2001年東京で撮影された作品「さんまのつみれ鍋」   しょうがの引き金(?)を引くと、さんまが発射される(?)
2001年東京で撮影された作品「さんまのつみれ鍋」
しょうがの引き金(?)を引くと、さんまが発射される(?)
 
武器は、モデルとなった女性が選んだ具材をもとに作成される。撮影後は解体されて鍋料理または煮込み料理として調理され、プロジェクト参加者によって囲まれる鍋パーティーに供されるという。
 
アイスランドの「グラフラックス」  「女スパイと機関銃」?
アイスランドの「グラフラックス」
「女スパイと機関銃」?
 
このプロジェクトでは「武器解体」は実際の軍隊の「武装解除」を、「鍋」は戦闘終了後の「平和」を暗示しているという。そう、このプロジェクト、実は戦争の愚かさと平和の尊さを訴えるものなのだ。
 
タイのナンプリを使った鍋料理の具材  引き金は「かぼちゃ」
タイのナンプリを使った鍋料理の具材
引き金は「かぼちゃ」
 
このプロジェクト、「野菜で平和を訴える」というアイディア自体が非常に興味深い。だがそのメッセージもさることながら、世界の鍋(地元料理)事情にも興味をそそられてしまう。例えば、米国ニューオリンズの「エトフェ」の具材を使った武器には、明らかにザリガニと思しきものが乗っている。実は、ニューオリンズ名物のエトフェとは、ザリガニのシチューをご飯にかけたものなのだ。
 
米国ニューオリンズの名物料理「エトフェ」  パプリカの引き金でザリガニ発射(??)
米国ニューオリンズの名物料理「エトフェ」
パプリカの引き金でザリガニ発射(??)
 
また、ウガンダの煮物「カトゴ」では、具材にバナナが含まれている。日本には昔から「バナナはおやつに含まれますか?」という議論が存在しているが、ウガンダ人にこれを尋ねると「バナナは、おかずだ。おやつじゃない」と答えるそうだ。
 
ウガンダの「カトゴ」  ウガンダでは、バナナは料理の具材です!
ウガンダの「カトゴ」
ウガンダでは、バナナは料理の具材です!
 
そんな世界の鍋事情も楽しめる小沢剛さんの写真展は東京港区白金のギャラリー「MISA SHIN GALLER」で開催中。開催期間は11月2日まで。日曜はお休みだそうだ。
 
2011年の作品「肉と野菜の土鍋煮」  メキシコシティで撮影された
2011年の作品「肉と野菜の土鍋煮」
メキシコシティで撮影された
 
同プロジェクトは東日本大震災直後の福島でも行われた。そのときに撮影されたのが福島の野菜を使った「ベジタブル・ウェポン―おにしめ、福島」。この作品も、現在開催中の写真展で鑑賞できる。
 
「ベジタブル・ウェポン―おにしめ、福島」
「ベジタブル・ウェポン―おにしめ、福島」