「ステマ」という言葉がネット上を席巻したのは2012年1月頃のこと。当時、「あのブログの記事はステマだ!」「このポジティブなコメントもステマだ!」「そのネコ可愛すぎる、ステマだ!」など、“魔女狩り”ならぬ“ステマ狩り”がネット上で話題になったが、これまで、ここまでオープンに「ステマ(かどうかの判断はこの後読者に委ねる)」を展開した商品はあっただろうか。9月25日、渋谷で開かれた「UHA味覚糖 グミガーム『GGステマ党結成発表会』」の模様をレポートしよう。

GGステマ党 党首の杉村太蔵さんと、秘書官の佐藤かよさん
GGステマ党 党首の杉村太蔵さんと、秘書官の佐藤かよさん


GGステマ党は、UHA味覚糖新商品「グミガーム」のステマを目的とした組織で、頭に付くGG は「GUMI GUUM(グミガーム)」の略記。ステマは「ステルスマーケティング」の略称で、“消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること”にほかならないのだが・・・この二人は明らかに目立ちすぎである。


壇上に上がったGGステマ党 党首の杉村太蔵さんは開口一番、グミガームについて「頼まれたから宣伝するけど、これは本当にいい商品」と、選挙カーに乗っていた“あの頃”を彷彿とさせる気迫でテキトーにアピール。渋谷のド真ん中で「ステマします!」と声高に叫んでいる杉村さんを見ていると、「ステマ」となにか大きな矛盾を感じずにはいられない・・・。

「グミガーム」をステマするのが目的だ
「グミガーム」をステマするのが目的だ


今回ステマの対象となっている「グミガーム」(9月24日発売)は、ガム・グミ・タブレットとは別モノで、海外でガムの代替として食されている“パスティーユ”というカテゴリーに属すそう。フレーバーは「コーラ」「グレープ」「ナチュラルミント」の3種類。まずは全国のスーパーマーケット、ドラッグストアなどで販売し、来春にはコンビニなどでも展開していくそうだ。

「グミガーム」の小ささを伝える杉村さん
「グミガーム」の小ささを伝える杉村さん


イベントの冒頭、このグミガームを「いい商品です」と言っていた杉村さんだが、実はまだ一度も食べていないということが発覚。これに対し、杉村さんは「(選挙で)会ったことのない候補者を応援できるのと同じように、食べたことがなくても宣伝はできる!」と、妙に説得力のある答弁を展開した。また会場外から聞こえた「かよぽりす可愛いー!」という声に対しては、「私の秘書だから可愛いのは当然だ!」と力強く返答。落ち着いた態度で、党首としての器が大きさを示した。

グミガームを一粒食べた杉村さんは、「意外と粒が小さく、グミのようでガムのようなニュータイプの食感」と述べ、「噛みごたえがあり、眠気覚ましになる。国会で寝ていられない永田町の先生方にぴったりだ」とした。また、商品パッケージについては「もし女性だったら、デート中、彼氏にサッと出されたらシビれるパッケージですね!」と男性なのに女性にも配慮する懐の深さをアピールすべく、テキトーなコメントを残している。

杉村さんの結婚指輪と比較してもその小ささがわかるだろう
杉村さんの結婚指輪と比較してもその小ささがわかるだろう


イベント中、杉村さんを横でフォローしていた佐藤かよさんは、「最初は杉村さんと組むことが不安でしたが、実はとてもアツい方で、私も頑張らなければいけないと思っています」とコメントし、「一緒に“おいしい”ステマを広めていきましょう!」と渋谷に集まった人々に向けてGGステマ党への入党を呼びかけた。

党首よりもこの企画に詳しかった優秀な秘書官 佐藤かよさん
党首よりもこの企画に詳しかった優秀な秘書官 佐藤かよさん


本記事でもステマっぽさを演出するために、最後に少しキャンペーンに触れておこう。GGステマ党に入党するためには、特設サイト「GGステマ党入党審査ページ」で審査を受けなければならない。また、晴れてGGステマ党員となった人の中から抽選3組6名に、「グァーーム(グァム)旅行(10万円相当)」をプレゼントするそうだ。「このようなキャンペーンは、既存の政党にはできない、我が党ならではの企画だ」(杉村さん)

ちなみに、永田町も注目しているかもしれないGGステマ党は、来る総選挙、杉村党首の下で単独過半数を目指すとか目指さないとか。その真偽は定かではない。