夢のような話だけど
夢のような話だけど

「月に行き、月で採集した水と先に届けておいた材料で飲み物を作って飲む」という夢のような話に、大人たちが真面目に取り組んでいる。大塚製薬などがスタートさせた、民間による初の月面到達を目指す「LUNAR DREAM CAPSULE PROJECT(ルナ ドリーム カプセル プロジェクト)」がそれだ。「月に地球上と同様の成分の水が存在する」という発見から、この夢が始まった。

同プロジェクトの目的は、昼間110℃の高温に達し、夜間には氷点下170℃まで冷え込む過酷な環境に耐える特殊な「ドリームカプセル」に市販されているのと同じ「ポカリスエット」の粉末を封入し、ロケットで打ち上げて月面に届けることが第一段階。そして、何十年後になるか分からないが、月に再び立った人類がドリームカプセルを見つけて開け、ポカリスエットを月の水で溶かして飲むことが第二段階。なお、カプセルを開けるには、プロジェクト関連イベントなどで配布される鍵「ドリームリング」が必要だ。

ポカリスエットの缶とそっくりなドリームカプセル  宇宙船や人工衛星などでは使われない青色を採用  初披露するのは梅野雅之さん(大塚製薬 代表取締役副社長)
ポカリスエットの缶とそっくりなドリームカプセル
宇宙船や人工衛星などでは使われない青色を採用
初披露するのは梅野雅之さん(大塚製薬 代表取締役副社長)

このカプセルには、同プロジェクトの Web サイトで募った“子どもたちの夢”のメッセージをレーザーで刻んだチタン プレートも入れておく。将来、厳しい環境と長い年月に耐えたカプセルを開けるのが、メッセージを送った子ども本人であるかもしれない。大塚製薬らは、「月や宇宙に興味を持った若者たちが、近い将来、今度は自らの力で『ドリームカプセル』を取りに行き、月の水で溶かした飲料でのどをうるおしてほしい」と、壮大な夢を語っている。

ドリームカプセルを開けるのに必要なドリームリング  持っているのは岡田光信さん(ASTROSCALE CEO)
ドリームカプセルを開けるのに必要なドリームリング
持っているのは岡田光信さん(ASTROSCALE CEO)

同プロジェクトは、大塚製薬のほか、着陸技術を持つ米国 Astrobotic Technology(アストロボティック・テクノロジー)、スペース デブリ(宇宙ゴミ)除去の研究/事業化に取り組んでいるシンガポールの ASTROSCALE(アストロスケール)などで構成される「LUNAR DREAM 実行委員会」が中心となり、東京大学や九州大学、日本国内のさまざまな企業の力を結集して実行する。計画では、2015年10月にロケットを打ち上げ、月面へドリーム カプセルを到達させる予定である。

ドリームリングを使って開けると  中身を引き出せる
ドリームリングを使って開けると
中身を引き出せる

プロジェクトが本格的にスタートした5月15日、東京スカイツリータウンにある「コニカミノルタプラネタリウム“天空”」で開催されたキック オフ イベントには、元 JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士で国際宇宙ステーション(ISS)に滞在してミッションを担当した経験のある山崎直子さんも駆けつけ、宇宙や水、夢などについて語ってくれた。

イベントに駆け付けた山崎直子さん(左)  “水”や“イオン飲料”つながりでミズノスイムチーム アシスタントコーチの寺川綾さん(右)
イベントに駆け付けた山崎直子さん(左)
“水”や“イオン飲料”つながりでミズノスイムチーム アシスタントコーチの寺川綾さん(右)

子どもたちの夢と一緒に月まで届け!
子どもたちの夢と一緒に月まで届け!

ドリームカプセルは無事に月へ届けられるだろうか。ドリームリングを持った人が月に着くのは何年後だろうか。月の水が実際に発見され、カプセルのポカリスエットを飲んでもらえるだろうか。考えれば考えるほどワクワクしてくる。あなたも夢を Web サイトから送って、プロジェクトを応援しよう。

ドリームカプセルを開けるのは君かもしれない
ドリームカプセルを開けるのは君かもしれない