なかでも力を入れているのが、三越伊勢丹の独自企画「オンリー・エムアイ」商品。今年は、食品フロア誕生から100周年となるのを記念して『食のクロニクル(年代記)』をテーマにした商品が用意されています。
◆100年前から愛される贈答品
同店に食品フロアが誕生したのは1914年。衣料品が中心だった百貨店にとって画期的なことでした。当時は「食料品部」「鰹節部」「茶部」の3フロアで構成されていたそうです。
そのときから店頭に並んでいた山政の鰹節。今回、削りたての味と香りを感じてほしいと、約半年かけて丹念に作り上げられた縁起の良い雄節と雌節、削り器とをセットに。価格はなんと1万6,200円です。
鰹節と並んで贈答品の定番だった「お茶」では、宇治茶の名門「丸久小山園」の抹茶「長安」が販売されます。18世紀から続く英国の老舗チーズ店「パクストン&ウィットフィールド」のスティルトンチーズ(ブルーチーズ)を使って抹茶に合うよう仕上げられたクッキー、斬新なデザインの茶碗などをセットにして、価格は3万2,400円。高額ながらも、この組み合わせは他にはないと自信のある商品なのだそう。
このほか、同じく100年前から同店と取引のある林屋の「逸品焼海苔『海の至福』」(5,400円)など、全部で9商品が用意されています。
◆杉浦非水のデザインを復刻
杉浦非水は、かつて同店の宣伝物のデザインを担当した商業美術の第一人者。そんな彼が手がけた作品をパッケージにあしらった全10商品が用意されています。
100年前の同店の落成式が描かれたデザイン缶のサントリー「ザ・プレミアム・モルツ」(3,240円)、島原手延素麺「『絹摘艶』文箱詰合せ」(1万6,200円)など、いずれも数量限定での販売となります。
◆洋菓子文化の歴史をたどる
西洋の文化をいち早く取り入れてきた百貨店。100年前のレシピで作られたパイナップルジャムと2014年の新作・サマーグローリージャムをセットにしたフォートナム&メイソンの「ジャム詰合せ」(7,560円)、100周年にちなんで作られたハロッズのオリジナルブレンドティー「No.100」(3,240円~)など、歴史を感じさせる商品がラインナップされています。
一方で、若い人にも関心を持ってもらいたいと、華やかな洋菓子も。秋田の人気店 CAFE OHZAN の「フラワーラスクギフト」(3,780円)、東京・代官山のフレンチレストラン・レザファン ギャッテのスイーツコレクション「華」(4,320円)、英国パクストン&ウィットフィールドのスティルトンチーズケーキと紅茶のセット(5,400円)などが並んでいます。
◆予算から選べるように“ぽっきり価格”で
消費増税を受けて、予算から選びやすいようにと、3,001円~5,001円の“ぽっきり価格”の商品も用意されています。
お中元の定番ビールを見てみると、プレミアムビール3種のセット(3,501円/5,001円)、本格的なハムやソーセージとプレミアムビールのセット(5,001円)など、組み合わせを工夫して価値ある商品に仕上げられているそう。ダイヤ型の器が個性的なゼリーセット(3,001円)など、今回が初登場となる商品もあります。
◆食に関心が高い相手には…
健康を気にする人や、高齢者など食事に配慮が必要な人とでも楽しめる贈り物を、と、舌でつぶせるほど柔らかい漬け魚(3,240円~/マルハニチロ)、とろみを付けるなどして飲み込みやすいよう工夫した素麺詰合せ(3,240円~/池利)など、贈る相手の生活に合わせて選べる商品も用意されています。
◆今年のお中元トレンドは…?
ところで、気になる今年のお中元の価格帯。同店では、やはり3,000円から5,000円のものを中心に取り揃えているものの、3万円を越えるような高額商品も売れると予想。高くてもいいものにはお金を払いたいという傾向が続くのではないかと考えているそうです。
感謝の気持ちを伝える贈り物、お中元。気軽に贈れるものから高額商品まで並び、頭を悩ませることになりそうです。
※表記価格はすべて税込。