朝、家を出ると、思いがけず生ぬるい風に鼻先をくすぐられ、まだ梅雨にも入っていないのに夏を意識してしまうことがある――この日もそうだった。夏の足音を感じ、意気揚々と “夏スイーツ” を食べに出かけることにしたのだ。

夏気分を先取りたいんだ...!
夏気分を先取りたいんだ...!

浮かれ気分で向かったのは、代々木公園駅から6~7分ほど歩いたところにあるスペインバル「セバスチャン」。バルなのに、ここの看板メニューは “かき氷”。それも、珍しい「日光天然氷」を使ったかき氷が食べられる。


スぺインバルだけど「氷」の文字がドーン
スぺインバルだけど「氷」の文字がドーン

スペインバル「セバスチャン」

店内は、外国のバルというよりむしろ日本の古き良き喫茶店、といった雰囲気。周辺のオフィスから一息つきにやってくるビジネスマンも多いようだ。静かな時間がゆったりと流れていく心地よい空間。ただぼんやりと座っているだけで、とても落ち着く。

カウンターには氷削機が
カウンターには氷削機が

装飾品たち。こういうの大好き!
装飾品たち。こういうの大好き!

日光天然かき氷

この日は4種類の「日光天然かき氷」メニューの中から、「あられ桜ホワイトチョコレート」(レギュラー1,100円、ミニ900円)のレギュラーサイズを注文。マスターがレトロな手動の氷削機を使って、がりがりと氷を削ってくれる。

涼しげな光景ですなぁ
涼しげな光景ですなぁ

綿のように削られた氷とシロップを何度も重ねてお皿の上に積み上げられたかき氷は、「かき氷」という一言では片づけられないほど大きく、そして美しい。

こんもり
こんもり

きめ細かく削られ、空気をやさしく抱き込んだ日光天然氷はふわふわで、まるで粉雪の結晶を食べているよう。雑味がなく、口当たりも最高に良い。舌に触れた瞬間ふっと消えてしまうはかなさが切なくて、次のひとくちが止まらなくなる。

どんどん食べても頭が「キーン」とならない
どんどん食べても頭が「キーン」とならない

まろやかなソースは、練乳とホワイトチョコレート。甘さがしつこくなくサッパリしているので、どんどん食べ進められる。あられや細かく刻んだ桜の葉が上品な「和」の風味をプラス。さらにドライフルーツがトッピングされていて、食べごたえも満点だ。

あられやドライフルーツがトッピングされている
あられやドライフルーツがトッピングされている

あまりの美味しさに、思わず追加注文。こんどは「レモンとミックスベリーのレアチーズ仕立て」(レギュラー950円、ミニ800円)だ。さすがに2皿めなので、ミニサイズにした。

それでも十分でかいよ...っ!
それでも十分でかいよ...っ!

「これってミニサイズ?」と一瞬疑ってしまうほどのボリューム感。ひとくち食べてみると、まるで本物のレアチーズケーキを食べているみたいだ...!濃厚なシロップの甘さ、酸っぱさ、そしてレモンの皮のほろ苦さが、やさしく溶ける氷と混ざり合ってとろけ、パーフェクトなバランスを生み出している。さらに、サクサクのココアクッキーが食感と味にアクセントを加えている。

また、最後まで食べると、お皿の底に隠されたたっぷりのラズベリーにたどり着くというにくい演出も。

もはや立派な “スイーツ”!
もはや立派な “スイーツ”!

セバスチャンのかき氷のすごいところは、自家製シロップもさることながら、「氷」そのものが美味しいということ。読者のみなさんも、一度だまされたと思って食べてみてほしい。きっと目からウロコがこぼれ落ちること請け合いだ。

なお、筆者が来店した時とメニューが変更されている可能性もあるのであしからず。(どれも美味しいから心配しないで!)