ベルギー・ブリュッセルにアトリエを構える高級パティスリー『DEBAILLEUL(ドゥバイヨル)』。その日本で唯一のカフェが、東京・丸の内にあります。そこで、チョコがとろ~り溶け出す“あったか×ひんやり”スイーツが提供されているという情報を入手。ボール状のチョコレートにホットチョコレートをかけて食べるというのです。

“アイス×エスプレッソ”のアフォガートはよく見かけますが、チョコにチョコをかけちゃうの?とろ~りチョコに誘惑され、食べに行って来ました!


待ってろ、とろ~りチョコ!
待ってろ、とろ~りチョコ!

とろ~りチョコが楽しめる「ドゥバイヨル 丸の内オアゾ店」は、東京駅すぐそばにある商業施設の中にあります。丸の内北口側にあり、意外とカフェの少ないエリア。洗練されたオシャレな空間ですが、男性もちらほら見かけます。

席に案内してもらい、お目当てのとろ~りチョコを注文します。メニューの名前は「アヴァランシュ」(税込1,350円)。フランス語で「なだれ」を意味するそうです。3月に発売された新商品なのだとか。

待つこと数分、アヴァランシュが運ばれてきました。こぶしほどの大きさのチョコレートの球体で、表面はツヤツヤと光っています。中身はまったく見えません。

怪しい球体が運ばれてきました
怪しい球体が運ばれてきました

続いて店員さんが持ってきたのは、ホットチョコレート。これを球体の上から少しずつかけていくと…中から、白いバニラアイスのようなものがあらわれました!球体の上半分がなくなるくらいホットチョコレートをかけて、完成のようです。

ホットチョコレートをとろ~り
ホットチョコレートをとろ~り

わくわく
わくわく

お?
お?

おお!?
おお!?

キター!!!!!
キター!!!!!

球体の中に入っているのは、冷た~いバニラアイスクリームとクランブル(ほろほろ食感のクッキーみたいなもの)です。溶けてお皿にたまったチョコレート、バニラアイス、クランブル、すべてをすくって口に入れると…。ほんのり温かさが残ったチョコレートと、冷たいバニラアイスの不思議なハーモニー。

球体部分のチョコレートは濃厚で、ほんの少し苦め。バニラアイスも濃厚ながらさっぱりとした後味です。ホットチョコレートは甘すぎず、なめらかな舌ざわり。甘いものばかりの組み合わせですが、驚くほどさっぱりとしています。溶けて混ざっていくごとに味や温度の変化も楽しめますよ。さらっと完食してしまいました。
 
至福
至福

おいしいスイーツを食べたら、おいしいコーヒーが飲みたくなる…。と、コーヒーもお願いしました。すると、コーヒーとともにかわいらしいショコラが来ました。この日は、ジュリエットというピンク色のガナッシュ。ショコラとコーヒーのマリアージュも楽しめるなんて、粋な心づかいです。

おっしゃれ~
おっしゃれ~

さて、ひとやすみしたところで、もう一品食べたくなった筆者。オープン時から人気だという「フィユテポム」(税込864円)も注文してしまいました。

運ばれてきたのは、バニラアイスがのったアップルパイのようなもの。アメリカンなアップルパイとはちがい、薄いパイ生地の上に、スライスしたりんごがしきつめてあります。パイの下にあるのはカスタードソースなのだそう。
 
アップルパイみたいだけど…?
アップルパイみたいだけど…?

アイスごとパイをカットし、カスタードソースをたっぷりつけていただきます。バニラアイスとカスタードソースは上品な味わいながら、パイそのものは素朴な味。ほんのり塩気があり、りんごの甘みが引き立っています。

ソースとからんだパイ生地がまた、絶品。もっちりと水分を含み、クレープ生地のような食感になっています。ソースの甘みと生地の塩気がよく合うことは言うまでもありません。

たっぷりひたして召し上がれ!
たっぷりひたして召し上がれ!

一般的に“アップルパイ+アイス”といえば、アツアツのパイにアイスを添えて温度差を楽しむといったものをイメージしますが、フィユテポムは、アイスが溶けないようにあえてパイの温度を低めに仕上げてあるそう。アイス、パイ生地、カスタードソースと、それぞれの良さを味わえるようにとの工夫なのだとか。こちらも思わず「もう1枚…」と思ってしまう後味でした。

結局2品も食べてしまったのですが、どちらも甘さは強くなく、カカオやバニラ、りんごといった素材の味わいを感じられたのが印象的でした。海外発祥のカフェが多く出店している日本でも、なかなかこういった味は楽しめないかも。

それもそのはず、ドゥバイヨルの商品のほとんどが“ベルギーの味”。りんごの品種など材料が異なる地では本店の味をそのまま再現することは難しいから、と、徹底して本国の味にこだわっているそうです。そのため、アヴァランシュの“球体チョコレート”も、フィユテポムのパイ生地も、カウンターで販売されているショコラやマカロンも、ベルギーで作ったものを日本に持ち込んでいるそう。手間がかかっても、完璧な味わいを追求する創業者の精神を受け継いでいるんですね。

一回食べるだけじゃ満足できない、また行きたい!と思う、上質なカフェでした。