東京都写真美術館をはじめ、美術館や博物館が並ぶ街、東京・恵比寿。ここに、カメラを抱えた人々が目を輝かせて訪れる“食堂”があります。その名も、写真集食堂「めぐたま」。

写真集食堂「めぐたま」で、心も体も大満足
写真集食堂「めぐたま」で、心も体も大満足

めぐたまは、おいしいご飯を作る名人・おかど めぐみこさんと、コミュニケーションアーティスト・ときたまさん、そして写真評論家・飯沢耕太郎さんの3人が集まり、2014年2月にオープンしました。おかどさんによる「日本のおうちごはん」に舌鼓を打ちながら、飯沢さんが集めた4,500冊もの写真集を眺め、時々ときたまさんが企画するイベントで交流を楽しむ。色々な楽しみ方ができる空間です。

◆4,500の写真集に圧倒

お店があるのは、恵比寿駅西口から青山方面へ徒歩10分弱。駒沢通り沿いの左手です。通りからは少し分かりにくいですが、ガラス張りの広い入り口と、赤い屋根が目印。外からでも、壁にたくさん並んだ本が目に入ります。

オープンで明るい入り口
オープンで明るい入り口

手前にカウンター席、奥にテーブル席。そして、周囲の壁には、ところ狭しとたくさんの写真集が並んでいます。これらはすべて、飯沢さんのコレクション。気になるものがあれば、自由に閲覧できます。本の場所を忘れないように、台紙をはさんでおくという仕組だそうです。

壁全体が本棚!
壁全体が本棚!
 
気に入ったものは、自由に閲覧できます。  台紙をはさむのを忘れずに
気に入ったものは、自由に閲覧できます。
台紙をはさむのを忘れずに

でも、飲食をする場所に大事な本を置くなんて、不安じゃないんですか?

「みなさん、そうおっしゃるんですけどね。写真集は並べていたって仕方ない、見られてナンボのものだと飯沢さんも言っていて。丁寧に扱ってもらえれば大丈夫です」(ときたまさん)

写真集は、入り口から奥に向かってほぼ年代順・作家別に並んでいます。テーブル席の奥、入り口からは見えない壁にも、海外で出版されたものや大型本がずらり。なかなか手に入らない貴重なものもあり、写真を学んでいる人などが目を輝かせて手に取るそうです。

テーブル席の奥には、洋書や大型本が並ぶ
テーブル席の奥には、洋書や大型本が並ぶ

写真集が並んでいるだけでなく、お店のつくりもユニーク。「エアロハウス」という工法により、真ん中に柱を置かずに空間を広く使えるようになっているそうです。

また店内を照らす電球の傘をよく見てみると、本を逆さに伏せた形。本物の本で作ってあるんですって。床に描かれた絵は、飯沢さんによる力作なのだそう。写真集を提供するだけでなく、“画伯”としても参加しているようです。

飯沢さん自身もこの空間が気に入っていて、「もうここ以外で仕事ができないよ」なんておっしゃっているそうです。

本物の本で出来ているそう
本物の本で出来ているそう


“飯沢画伯”による絵も必見
“飯沢画伯”による絵も必見

もともとは、飯沢さんの自宅にある膨大なコレクションをうまく活用できないかと考えていたのだそう。めぐたまの料理担当、おかどさんとの縁で、“食堂”という形に落ち着いたといいます。

◆コンセプトは「日本のおうちごはん」

めぐたまのご飯は「日本のおうちごはん」。「日本の家庭料理って、和食だけじゃなくて、イタリアンでも中華でも何でも吸収しちゃうでしょ。気取らないけどタフなんです」(おかどさん)と、やさしい家庭の味が楽しめます。

メニューは、ランチ、カフェ、ディナーと盛りだくさん。なかでもランチタイムには、日によって内容が変わる「季節の一汁三菜ランチ」(1,000円)が人気です。

体への気づかいがたっぷりつまったメニューが人気
体への気づかいがたっぷりつまったメニューが人気

この日いただいたメニューは、根菜の煮物、豚の塩麹焼き、菜の花のからし和えの三菜と、豆腐とわかめのみそ汁、黒米入り玄米。どれも、じんわりとなじむ素朴な味で心が癒されました。特に、自家製みそを使ったみそ汁には、懐かしさのあまりしばし放心。おばあちゃんの味を思い出しました。

ディナータイムには、一品料理やお酒だけでなく、晩ごはんのセットも用意されていて、しっかりごはんが食べたい時にも利用できます。定食を食べてお酒を飲んで、写真集をパラパラめくって帰る。いいですねぇ。

◆隠れ名物は絶品スイーツ

そして、隠れ名物なのがスイーツ。「みるくの黄金率のソフトクリーム」とおかどさんが得意とする「和の甘味」は、ぜひチェックしてほしいメニューです。

ソフトクリームは、週2回・200本しか出荷されないという磯沼牧場(東京都八王子市)の限定ミルクで作られており、すでにリピーターもいるのだとか。また、明治時代の人気作家・村井弦斎の著書『食道楽』に登場するレシピを復元した「糠ケーキ」も人気の一品です。

これらの人気スイーツをぜんぶ楽しめる欲張りメニューが「和カフェプレート」(1,000円)。糠ケーキ、ソフトクリーム、煮あずきが盛りあわされています。ソフトクリームは、濃厚でミルクの香りと甘みがとても贅沢。糠ケーキは、甘さをおさえたカステラのような味わいで、糠くささは全くありません。これらと、手作り感あふれるほろほろの煮あずきは、何度でも食べたくなる組み合わせ。

名物メニューを贅沢に盛り合わせたプレートは必食
名物メニューを贅沢に盛り合わせたプレートは必食

ほかにも、紹介しきれないほどたくさんのメニューがあります。どれもこれも、おかどさんの“思いやり”がたっぷりつまった体にやさしい料理ばかり。ぜひお店に足を運んで、朗らかなスタッフさんと話しながら選んで下さい。ご飯でも、スイーツでも、お酒でも。いつでも、やさしい「おうちごはん」が出迎えてくれます。

◆ご飯は、心も体も元気にしてくれる

「ちゃんとご飯を食べると、心も体も元気になれる」と、おかどさん。めぐたまは、「写真集も太っ腹、料理も太っ腹、イベントも太っ腹!」と明るい笑い声が響く、何度も通いたくなる空間でした。

店舗所在地は、東京都渋谷区東3-2-7。営業時間は、平日11時30分~23時(ラストオーダー22時)、土日祭日12時~22時(ラストオーダー21時30分)、月曜定休です。開催されるイベント情報などは、Web サイトなどで確認できるので、気になるものがあればのぞいてみて下さい。