「ヤギ汁」とは、沖縄の伝統料理のひとつ。ヤギの肉と骨をじっくりと煮込んだ、ヤギエキスたっぷりのスープだ。地元の人は、お祭りや祝い事など、ハレの日にこのヤギ汁を食べるのだそう。つまり、何かにつけて食べることになるであろう “高級食材” なのだ。
しまんちゅたちが愛するスタミナ料理だというこのヤギ汁、ネット等で調べてみると、どうやら好き嫌いが分かれる味ではある様子。だが、「コクがあっておいしい」といった評価も見受けられる。気になるので、えん食べ編集部でも食べてみることにした。
■「ヤギ汁」を入手
今回手に入れたのは、沖縄料理を製造・販売する食品会社オキハムの「山羊汁」。パッケージには、ぶっとく豪快な「山羊汁」の文字が。
■調理してみる
オキハムのヤギ汁はレトルトなので、調理も簡単。パッケージには、パウチごと熱湯の中に入れるか、鍋に中身を移し入れて熱するようにと指示が書いてあるが、今回は中身を耐熱皿に移し替えてレンチンしてみる。なお、封を開けて中を覗いた写真は、あえて掲載を自粛したい。
レンジにかけること、5分。立派なヤギ汁が完成した。
温まったヤギ汁からは、ほくほくと立ちこめる湯気とともに、なんとも言えない芳醇な獣の香りが。ラム(羊肉)に近いが、もっとこう...ワイルドなにおいがする。
■食べてみる
バッチリがっつり獣の香りがしているので多少気が引けるが、勇気を振り絞ってスープを一口。ああ、なんと猛々しい、香りから想像した通りの味だろうか。きっとオスのヤギを使ったに違いない。そんな味だ。
ヤギ肉を食べてみる。牛と羊を足して2で割ったような味だ。スープほど強いにおいはなく、肉の旨みも感じられる。繊維質がしっかりしていて、柔らかいながらも噛みごたえがある。
■匂い消しに香草を入れてみた
沖縄では、ヤギ汁を食べるときは「よもぎ」を入れるのが主流らしい。香りの強い草が、強力なにおい消しになるのかもしれない。
さすがに春が旬のよもぎは手に入らなかったため、今回は「パクチー」(コリアンダー)を入れてみることに。
うん、これは良い!ちょっとトゥーマッチだったヤギのにおいが、パクチーの放つ独特の香りで程よく消されている!沖縄料理のはずが少しエスニックな風味にはなるが、ともあれ香りの強い香草を入れるのは正解のようだ。
■結論、好き嫌いは分かれるが、筆者は割と好き
えん食べ編集部内でも好き嫌いは分かれたが、筆者は嫌いではない。むしろ忘れたころにまた食べたくなる、クセになる味ではないかと思う。おそらく3年後くらいに、ふとこの味が恋しくなるだろう。そのときはまたよろしくお願いしますね、ヤギさん。