最近は東京でも沖縄料理を出す居酒屋や、沖縄フードが買える店が増えてきている。ある意味みんな“沖縄慣れ”して、安易に行った気になってしまっていないだろうか。

まだ知らない沖縄があるはずだ
まだ知らない沖縄があるはずだ

そこで、実際に沖縄でしか食べられないメニューを求めファストフードチェーン「A&W」を訪れてみた。A&W は、アメリカ統治時代から存在し2013年現在沖縄県内のみに26店舗を構える歴史あるチェーン。地元の人からは“エンダ―”の愛称で親しまれているとか。クルマ社会沖縄らしく、店舗はホールとドライブスルー(店によってはドライブイン)も併設している。


A&W 北谷店にやってきた(こちらはホールとドライブスルーのみ)
A&W 北谷店にやってきた(こちらはホールとドライブスルーのみ)

アメリカンに見えても日本の風習を重んじている
アメリカンに見えても日本の風習を重んじている

なんでも、A&W では強烈な個性を放つドリンク「ルートビア」を前面に推しているらしい。ルートビアは、タチアオイやカンゾウ、サルサの根など14種類以上の天然の薬草からつくられている A&W オリジナル炭酸飲料とのこと。なんだかカラダに良さそうだし、沖縄でしか飲めないならぜひ試してみたい。地元の人には「そんなのでいいの?」と不思議な顔をされたが、B 級グルメ好きとしてはロマン以外感じられない。

A&W のコンセプトは“ALL AMERICAN FOOD(オールアメリカンフード)”。食べごたえありそうなハンバーガーやサイドメニュー、デザート、店舗によっては「BENTO-MEAL」なるお弁当も販売している。今回は、スタンダードな「ビッガーチーズバーガー」をオーダー。コンボ(セットメニュー)がおトクのようなので、サイドメニューにはカーリーフライをチョイスした。

そしてドリンクには…。あった。コーラやオレンジジュースを押しのけ一番上でルートビアが主張している。

すごく推されてる!
すごく推されてる!

セットメニューの金額は700円程度。会計が済むと、ジョッキグラスにたっぷり注がれたルートビアを先に渡された。見た目はコーラとなんら変わらない。しいていえば氷が入っていないことくらいだ。100%己自身で勝負するタフなルートビア。

アメリカンサイズ!
アメリカンサイズ!

氷なしでこんなに注いでくれた
氷なしでこんなに注いでくれた

ドリンクを先に運び、広々とした店内を眺めながらフードを待つ。

落ち着くなあ
落ち着くなあ

陽気な気候で喉もカラカラなので、待ちきれずルートビアをひと口飲んでみた。

ぐふっ。あまりの薬品臭に思わずむせた。シップや正露丸のような独特の(おそらく甘草の)匂いで瞬時に鼻が支配される。あとから優しい甘さと炭酸の爽やかな刺激がくるので一度飲み始めるとクセにならなくもないが、何だか病人になった気分になるドリンクだ。

ルートビアをちびちび飲んでいると、食事が運ばれてきた。ビッガーチーズバーガーはビーフ100%パティとシャキッとした分厚いオニオンスライスの相性バツグン、シンプルな味付けの“ザ・ハンバーガー”といったところ。カーリーフライは最高にカリッと揚げられていて、スパイシーな味付けが後を引く。見た目もカワイイ上にこんなにおいしいの反則だわ。ボリュームも十分にアメリカン。うん、おいしいぞ!

昔ながらのシンプルな「ビッガーチーズバーガー」
昔ながらのシンプルな「ビッガーチーズバーガー」

最高にカリッとクルッとしているカーリーフライ
最高にカリッとクルッとしているカーリーフライ

ここで再びルートビアを飲む。口の中はアメリカから一気に保健室へ連れていかれる。反射的になぜか薄暗い保健室が浮かんだ。なんて落差なんだ。このギャップがクセになる人もいるのかもしれないが、食事に合うかと聞かれると筆者は回答に臆してしまう。

ちなみに、A&W の店内ではルートビアがなんと飲み放題!好きなだけ堪能できるそうだ…。

なお、ルートビアはもともとアメリカではポピュラーな清涼飲料水なんだとか。もしかしたら、ジャンクフードを食べ過ぎたカラダを優しく癒してくれるヘルシードリンクなのかもしれない。地元の人も好き嫌いが分かれるというこの珍しいメニュー。沖縄訪問の際はぜひチャレンジしてみてほしい。

あれ、そのグラスはもしかして…
あれ、そのグラスはもしかして…