これまで数々のお店の「何分待ち?」に挑戦してきたえん食べ編集部だが、筆者は基本的に並ぶのが苦手だ。いや、得意な人などいないだろう。できることなら並ばずにおいしいものが食べたい、それが人の心理ってものだ。

だが、伊香保には並んででも食べるべき温泉まんじゅうがある。


超絶寒かったけど並んだ甲斐あったよ!
超絶寒かったけど並んだ甲斐あったよ!

群馬県は伊香保温泉にある有名な石段街、そこに “温泉まんじゅうの発祥” を謳うおまんじゅう屋がある。石段の頂上にある伊香保神社のすぐ下に店を構える『勝月堂』だ。

この石段をのぼれば伊香保神社
この石段をのぼれば伊香保神社

 
『勝月堂』の店内。多くのお客さんが並ぶ
『勝月堂』の店内。多くのお客さんが並ぶ

『勝月堂』の「湯乃花 饅頭(ゆのはなまんじゅう)」は、明治時代に同店の初代が「伊香保の名物を作ろう!」という目的で考案した、全国初の温泉まんじゅうなのだとか。さすが、正統な歴史があるだけにかなりの人気店のようで、多くのお客さんがこのおまんじゅうを求めて列を連ねている。

筆者が並んだのは、日曜の午前10時半頃。並んでいるお客さんの数は30人前後だろうか。上州の寒風吹きすさぶ中、みな辛抱強く順番を待っている。

おまんじゅうへの長蛇の列
おまんじゅうへの長蛇の列

雪もちらつく気温0度という極寒の中、30分以上並んだ。ようやく店内へと案内される筆者。あと少しだ...!

全部形が違って、手づくり感満載!
全部形が違って、手づくり感満載!

ついにおまんじゅうを4個手に入れた!あんなに並んだのだからもっとたくさん買えばよかった...と今さら後悔の念が押し寄せるが、とりあえず食べてみる。

ふにゃん
ふにゃん

手に持つだけで形が変わってしまいそうなくらい柔らかい皮。もっちりとしていて、水分を多く含んでいるような感触だ。

中にはほくほくのあんこがぎっしり!
中にはほくほくのあんこがぎっしり!

ぱふっとかじってみると、皮は薄くてふわふわモッチモチ!あんこには少し塩気が感じられ、こしあんの自然な甘みが引き立ち、さらに後味をさっぱりとさせている。美味い、美味すぎる...こんな温泉まんじゅうを食べたのは初めてだ...!

なお、『勝月堂』の温泉まんじゅうには保存料が一切使われていないため、賞味期限は翌日までとのこと。冷凍すれば数日もつらしいが、やはりその場で蒸かしたてを食べるに越したことはない。

ちなみにこの日、蒸かしたてのおまんじゅうは午前中のみの販売だった。午前と午後で食べ比べてみたが、やはり圧倒的に午前中のおまんじゅうの方が美味なので、ぜひ並んででも食べてみてほしい。ただし冬の寒さはシャレにならないので、暖かい服装で完全防備したうえで臨まれることを強くお勧めする。

風情のある街並みも必見!
風情のある街並みも必見!