もうすぐクリスマス。特別にオシャレなレストランで食事を…と考えている人も多いはず。また年末年始、パーティーなどに出席する機会も増えるでしょう。そこで気になるのが『レストランマナー』。日常生活ではなじみが薄く、戸惑うことも多いのではないでしょうか。

そんなあなたのために!世界で活躍するレストランサービスのプロ・高森修さんに教えていただいたマナーをお伝えします。


レストランマナー、あなたは大丈夫?
レストランマナー、あなたは大丈夫?

えん食べ編集部がお邪魔したのは、レストランの予約サービスを運営する OpenTable 主催で開かれたプレクリスマスパーティー「Sweet Night for Smart Christmas」。フレンチレストラン MOSAIQUE(東京・南青山)で、リキュール・グランマルニエを使ったカクテルやスイーツを楽しみながら、参加した皆さんとともに高森さんの“マナー講座”を聴きました。

高森さんは、レストランサービスの国際大会で、ヨーロッパの人々をおさえ初代チャンピオンとなったレストランサービスの第一人者。サービススタッフの研修などでも引っ張りだこの、プロの中のプロです。この日は、基本的なマナーと、こなせると嬉しいワンランク上のマナーについて、軽快なトークで楽しく教えて下さいました。

世界で活躍する高森さん
世界で活躍する高森さん

◆やってはいけない10の項目

まずは、やってはいけない『べからず』10項目。あてはまる項目が多い人は“モンスターカスタマー”と思われているかも…?

・勝手な席決めや、あまりに多い立席
・足を組む、テーブルにひじをつく
・レディファーストできない男性、されない女性
・大きな声での会話
・クラブ風の店員使い
・無口&指差し、大声での「すみません」
・解説者タイプ、その他の自慢話
・食べるペースが遅すぎる
・鼻水すすり、ぺちゃくちゃ音
・勝手に写真を撮影する

足を組んだりテーブルにひじをつくといった行為は、見た目が良くないだけでなく、店員の邪魔にもなってしまいます。同席している人からは見えていなくても、店員や他のお客からはしっかりと見えているので気を付けて!レストラン空間を作るのは、私たちお客でもあるのです。

クラブ風の店員使いや、無口&指差し、大声での「すみません」は、店員を非難することにもつながります。例えば、空いた皿を重ねると「店員が客のことを見ていない」とアピールする失礼な行為に当たるそう。また店員を呼ぶときは、「すみません」と声を出すのではなく、まずはアイコンタクトを心がけましょう。しばらく経っても気づいてもらえなければ軽く人差し指をあげ、それでも気づいてもらえなければ手をあげます。「すみません」と声を出すのは最終手段。店員は他のテーブルで給仕していることもあるので、ゆったり構える気持ちも大切なのだそうです。

また、料理や店内の写真を勝手に撮影するのも NG。あくまで管理権は店側にあるので、「撮ってもいいですか?」と一言確認するようにしましょう。これも“思いやり”です。

あなたはいくつ当てはまりましたか?当てはまらないと思っていても、気づかないうちにしてしまっているかもしれません。普段から気にかけるようにしたいものです。

◆ワンランク上の3つのポイント

基本を押さえたところで、こなせると「おっ」と思われるワンランク上のマナーをご紹介します。ポイントは3つ。1点目「入店から着席までをスマートにこなす」、2点目「かっこいい食べ方や所作」、3点目「会話のごちそうを楽しむ」です。

1点目の「入店から着席までをスマートにこなす」は、レディファーストが大きく関係するポイントです。

スマートにこなしたいレディファースト
スマートにこなしたいレディファースト

まず入店するとき。男女の場合は男性から、同性どうしの場合は、“もてなす人”が先に入り、きちんと予約が取れているかなどを確認します。ここでポイント、予約は男性が取ることが前提であることに気を付けて下さい。日本では、女性が予約の電話をかけることが多いのですが、レストランマナーとしては問題外。「レディファーストの分からない、マナーのなっていない客なのか」と思われることもあるようです。

入店したあと、席に案内されるときには、女性(もてなされる人)が先に進みます。席に着いたら、上座(先に椅子を引いてくれる席)に女性が座るのを見届けてから男性も着席します。乾杯などで立つときは「左側」と国際的に決まっているので、立ったり座ったりは左から。手荷物は、右足手前か背もたれに置きましょう。この一連の流れをスマートにこなせると、レストラン側の印象も良くなるそう。追加で素敵なサービスをしてくれるかもしれません。

続いて2点目の「かっこいい食べ方や所作」。ポイントは、グラスやナイフ、フォークなどを持つ時に、手首からデコルテまでの距離を広く取ること。ゆったりと大きく見せる方が、スマートかつエレガントに見えるそうです。高森さんが多くのフランス人などと付き合う中で気づいたポイントとのこと。

最後に、「会話のごちそうを楽しむ」。レストランでは、会話もりっぱなごちそうのひとつです。特に相手のいいところを褒めると、自分も相手も楽しく過ごせると言います。サービスのプロも、褒めることを中心に訓練するそうですよ。

高森さん直伝のレストランマナーの数々、いかがでしたか?すでにレストランに行く予定があるという人も、今年のクリスマスは一人だけどいつかきっと…と信じている人も、できることから試してみて下さい。

会場ではこのあと、高森さんが世界大会優勝時にも作ったというクレープ・シュゼットを参加者の目の前で調理。パーティーを締めくくりました。

世界大会優勝時の技を披露!
世界大会優勝時の技を披露!

なお、この日に提供されたグランマルニエを使ったメニューは、12月19日まで都内の12のレストランで楽しめます。クリスマスディナー本番の前に、マナー練習のために訪れてみるのもいいかもしれません。