日本に暮らしていてドリアンを目にしたり、口にしたりする機会は少ない。アジアを旅していると目にする機会はぐっと増えるが、口にする勇気を持っている人は、それほど多くはないだろう。

果物の王様「ドリアン」
果物の王様「ドリアン」

シンガポール大学の研究者チームは、そんな意気地なしの私たちのため(?)に、アルコール含有量6%の「ドリアンワイン」を開発した。3年にも及んだ開発期間を経て、現在はドリアンワイン販売に向けたパートナー探しの段階に入っているという。米国メディア Time が伝えている。

ドリアンワインの試作品を作る研究者たち
ドリアンワインの試作品を作る研究者たち

ドリアンはカスタードクリームのような甘い味の果物。ビタミン類の含有量も多く、「果物の王様」と呼ばれている。だが、その「腐った玉ねぎと腐った玉子を混ぜた」ような、あるいは「古い古い下水道管にうっかり顔を突っ込んでしまった」ような匂いから、ドリアンを口に運ぶ勇気が持てないという人も多い。Time はドリアンを、「天国の味がするが、地獄の匂いがする」と評している。

だが、ドリアンワインでは、その匂いがかなり緩和されているそうだ。研究チームの1人 Fransisca Taniasuri 氏は、次のように述べている。

「ドリアンが好きな人にとって、ドリアンワインはすぐにでも試したいものだろう。彼らは私同様、そもそもドリアンが好きなのだから。ドリアンが好きではない人も、恐れずに試してみて欲しい。ドリアンワインは発酵によって、鼻にツンとくる不快な匂いがかなり弱まっている」

ドリアンから作った「ドリアンワイン」の試作品
ドリアンから作った「ドリアンワイン」の試作品

あの独特の匂いが発酵によってマイルドになるという理屈はいま一つ理解できない。"腐った"ような匂いは、"発酵"によっていよいよ強められ、手に負えない怪物と化してしまいそうな気がする。だが実際にドリアンワインには、ドリアンにはわずかに含まれ、匂いの原因となっている硫黄化合物がほとんど含まれていないのだそうだ。