吉野家、松屋、すき家、それに神戸ランプ亭。牛丼チェーン店は数々ありますが、その中で、店舗数、売上高ともに日本一と言われているのが「すき家」です。すき家は、カウンター席が中心の他の牛丼屋とは異なり、テーブル席が多く設置されている店舗設計。このため、女性や家族連れにも利用しやすいのだそう。

そんなすき家は4月12日、期間限定で「やきそば牛丼」を発売しました。これは、B 級グルメをテーマにした映画『クレヨンしんちゃん バカうまっ!B 級グルメサバイバル!!』とのコラボで生まれたメニューだそうです。


これが、すき家の「やきそば牛丼」
これが、すき家の「やきそば牛丼」

そうでなくても家族連れが多いというすき家。キャンペーン期間中は、しんちゃんファンの子どもで店内は溢れているんじゃないでしょうか?牛丼屋さんが子どもで一杯って、新鮮ですよね?見てみたいですよね?

…と、見てみたくなったら、見に行くのがえん食べ編集部。さっそくすき家に出かけて、やきそば牛丼を食べてきました。しんちゃんみたいな子どもに会えるかな?

■ すき家に到着

すき家の店頭には、やきそば牛丼のポスターが掲示されています。ポスターでは、やきそば牛丼の写真の上に、すき家の制服を着て、両手にコテを持ったしんちゃんの姿が描かれ、キャンペーンを盛り上げています。

すき家店舗は、しんちゃんのポスターのおかげで、いつもとちょっと違う雰囲気?
すき家店舗は、しんちゃんのポスターのおかげで、いつもとちょっと違う雰囲気?

■ なんと、店内は男性ばかり!

しんちゃんとのコラボということで、店内にはファミリー客が多いのではないかと読んでいたのですが、予想はまったくはずれました。むしろ、いつもよりも男性客比率が高まっています。いつもは女性が座っていることの多いテーブル席にも、サラリーマン、男子高校生、ガテン系のお仕事の方々といった男性陣の姿が!そしてなんと、そのほとんどが「やきそば牛丼」を食べていたのです。

やきそば牛どん、店内に焼きそばの甘い匂いが充満するほどの人気です!

■ やきそば牛丼、到着です

席について注文し、待つことしばし、やきそば牛丼が到着しました。

これが、やきそば牛どんです!
これが、やきそば牛どんです!

やきそば牛丼のルックスを一言で説明すると、「どんぶりに入ったやきそば」です。牛丼には見えません。表面がやきそばで覆われてしまっているため、その下に牛丼が隠されていることは、ぱっと見たところではわからないのです。やきそばをかき分けることで、やっとお肉に出会うことができます。

お肉に出会うには、やきそばをかきわける必要があります
お肉に出会うには、やきそばをかきわける必要があります

焼きそば牛どん内の焼きそば比率は、想像以上に高めでした。

■ そのお味は?

このメニューを開発したシェフは、関西の「やきそば定食」をにらんで味のトータルデザインを行ったはずだと、筆者は予測しました。ということで、まずは、やきそばをおかずにしてご飯を食べてみます。「炭水化物 on 炭水化物」。これって、男の憧れ、夢ですよね。

でも、試してみてわかったことは、「この食べ方はいまいち」、ということでした。

やきそば定食では、ソース味のやきそばと、白いごはんがマッチしてあのおいしさを生みだしています。でも、やきそば牛丼のご飯では、ご飯に染みた牛丼のたれの味が強すぎて、やきそばとはマッチしません。

ごはんはごはんでおいしい。やきそばはやきそばでおいしい。でも、せーので一緒に食べると、よくわからない味となります。

この食べ方、間違っているようです。

■ ソースをかけてみよう

ここで目に入ったのが、付属の「秘伝のソース」。これをかけて食べれば、きっとおいしくなるはず!です。

「秘伝のたれ」をかけます!
「秘伝のたれ」をかけます!

関西には、「そばめし」というメニューがあります。これは、ご飯と中華麺を一緒に炒め、ソースで味付けした料理。やきそば牛どんに秘伝のソースをたっぷりかければ、そのそばめしの味に近づくはずです。想像しただけでうまそう!ということで、秘伝のソースをかけて、そばめし風に食べてみました。

…やってみてわかったことは、牛丼のたれの味というのは、それでもやはりかなり強力で、秘伝のソースでも勝てないということでした。つまり、秘伝のソースをかけても、そばめしの味には、なりませんでした。

どうも、この食べ方も違ったようです。

■ 素直に上から食べるのが一番!

ということで、メニュー考案者の狙いを探ることはあきらめ、素直に上から食べていくことにしました。

素直に、上から食べよう!
素直に、上から食べよう!

一番上にのったやきそばは、少し甘めですが、うまいです。
その下のお肉、いつも通りうまいです。
ごはん、もちろんうまいです。

390円で、やきそばと牛丼が楽しめるメニューと考えれば、このやきそば牛丼は結構いけてるのではないでしょうか?

すき家はこれまで、牛丼の上に何かをのせたメニューを、数多く販売してきました。例えば、牛丼の上におろしポン酢をのせた「おろしポン酢牛丼」。例えば、山かけをのせ、肉とともにわさび醤油であっさり食べる「わさび山かけ牛丼」。

おろしポン酢も、山かけも、牛丼から新しい味を引き出してくれました。

でも、やきそばは何も引き出してはくれません。ただ、そこにのっているだけです。

でも、いいんです。この潔さが、「やきそば牛丼」なんだと思います。たぶん、それで良いんじゃないかと思います。

■ 気になるカロリーは?

やきそば牛丼は、「炭水化物 on 炭水化物」という、潔い男のメニュー。カロリーの特売会場のようにも見えます。

でも、すき家の Web サイトによれば、並盛の「やきそば牛丼」のカロリーはわずか 751kcal なのだそう。通常メニューの「並盛牛丼」のカロリーが 634kcal なので、その差はわずか 117kcal。これは、ブラックサンダーなら1本分、うまい棒なら2本分のカロリーにすぎません。この日、やきそば牛丼を食べていた男性陣にとっては、この程度の差は、誤差の範囲だと言えるでしょう。

「やきそば牛丼」のお値段は、並盛りが390円、中盛りと大盛りが490円、特盛り590円、メガ盛りが720円で、ミニは340円でした。