週の真ん中にある水曜日は、月・火と連戦してきた疲労感を背負いながら、木・金からの容赦ないプレッシャーを全身で受け止めなければならない過酷な曜日だ。明日以降も戦い抜くために、身体を休め、緊張をほぐし、冷静さを保つ必要がある。つまり、リラックスすることがなによりも大切なのだ。

 

それでは、“リラックスするため”には何をしたらいいだろうか。人によって様々だと思うが、差し当ってビールが挙げられる。読書とか、ストレッチとか、いいよね。しかしここではビール一択とする

 

未成年(よいこ)のみんな、ここからは大人の時間だ!

未成年(よいこ)のみんな、ここからは大人の時間だ!

 

今回、水曜にリラックスするために用意したのは、“ベルジャン・ホワイトエール”という種類のビール、その名も「水曜日のネコ」。お察しの通り、ネーミングに惹かれてこれを選んだ。スパイスにオレンジピールとコリアンダー(ハーブの一種)が使われており、爽やかな香りと甘酸っぱい味が楽しめるそうだ。せっかくなので、水曜の夜にネコと一緒に飲んでみようと思う

 

“一緒に飲む”といっても、誘えるような相手は1匹もいない。ビールを片手に、とりあえず公園に行ってみる。暇を持て余している子はいるだろうか。

 

ビール片手に街に繰り出す

ビール片手に街に繰り出す

 

ネコを探し始めて1時間、およそ20分に1匹ペースで計3匹のネコを見かけたが、写真に収める間もなく、みんな林の中に消えていった。これでは埒があかないので、公園を出て、雰囲気のある路地裏まで足を伸ばす。

 

林の中に少なくとも3匹いる

林の中に少なくとも3匹いる

 

果たして、路地裏は私を裏切らなかった。暗闇の中でなにやら動くものを確認。風に流れるゴミ袋か、はたまた、…ネコだ!アスファルトと同じ色をしていて分かりにくいが、身体をひねっているあの感じはネコだ!

 

いた!アスファルト迷彩のネコ!

いた!アスファルト迷彩のネコ!

 

「こ、こんばんは…」

「こ、こんばんは…」

 

ちょっと誘いにくい顔してる

ちょっと誘いにくい顔してる

 

話しかけても反応がない。そこで、私が考えた作戦はこうだ。ネコから少し離れた位置にビールを置いて後退。このビール本体が“ノラネコホイホイ”の役割を果たすため、あとはカメラを構えて待っていればいい。好奇心旺盛なターゲットは、必ずビールのにおいを嗅ぎにくる。カメラのシャッターをその瞬間に…!

 

くんくん…

くんくん…

 

外に出てから約2時間。ネコに会うのが先か、お巡りさんに声を掛けられるのが先か、“リラックス”とは程遠いギリギリの精神状態の中、どうにか「水曜日のネコ」と“水曜日に出会ったネコ”との2ショット撮影に成功した。しかし“一緒に飲む”とまではいかず、私の脇をすり抜けたネコは、すでに夜の闇の中へと消えていた。

 

家に帰って、撮影したネコの写真を見ながらビールをひと口。噂のビール「水曜日のネコ」を水曜日にネコと飲みたかっただけなのに、どういうわけか物凄く疲れた。外気に触れてよく冷えたビールは、水曜の終わりをちょっとだけ切なくさせた。

 

執筆:京都三条 糸屋のむすめ