東京・目黒のとんかつの名店「とんかつ かつ壱」。ジューシーなかつはもちろん、ランチセットにちょこっとついてくれるポテトサラダも見逃せないおいしさだ。
ビル地下の飲食街に行列の店
かつ壱は目黒駅西口を出て数分歩くとつく。近くにある「とんかつ とんき」「とんかつ 大宝」などとともに目黒のとんかつ御三家と呼んだりもするそうな。
場所は「久米ビル」の地下1階。見た目はビルの飲食街にあるごく普通のとんかつのお店だ。しかしお昼どきともなれば人、人、人で列ができる。周辺の会社員とおぼしき男性が続々と階段をおりていき、ちらほらと女性の姿も。
それではと列に並ぶと、すぐお店の人が先に注文をとってくれたので、ランチの「ロースかつ定食」(1,100円)をたのんだ。
かつは脂と肉汁でジューシー!
しばらくして席に着くとそう待たず料理が出てくる。ロースかつはかなり大きく、皿からはみだしそうなサイズだ。塔のように高く積み上げた千切りキャベツも迫力がある。そしてその隣には小さくポテトサラダが。とんかつのお店のポテトサラダはどんな味だろうとちょっと気になるが、まずはやはり、かつから攻める。
切り分けてあるものをひときれ箸でとって軽く力をこめると脂と肉汁があふれてくる。噛むと予想通り濃厚な味が口いっぱいに満ちる。いかにもロースかつらしいロースかつ。しかもボリューム満点となると、工夫しないで食べ続けていては舌が負けてしまい、十分にロースのうまみを楽しめなくなるのではないかと心配になる。
えりを正す気持ちで、まずはかつにソースをかける。すると甘酸っぱい風味がジューシーな肉の味を引き立てる。なるほど、このかつはソースをかけて初めて料理として完成する、という印象。
続いて漬け物をかじる。キュウリ、ダイコンとそれぞれ試すとダイコンの方にかなりしっかり風味を感じた。塩味もちゃんとあるが、あえて香りづけに醤油をたらすとさらにおいしい。これをご飯と一緒に楽しみつつ、落ち着いたら、またかつに戻る。
すると即座にこってりしたポークの味にくらくらする。かつはカットしたものをひときれずつ食べるのがよさそうだ。今度は塔のように盛り上げたキャベツを崩していく。シャキシャキでおいしい。
かわいいポテサラ
いよいよ気になっていたポテトサラダに箸をつける。かつと比較して小さく見えたが、単体で見るとそれなりの大きさがあるようだ。
丸っこく盛り付けたジャガイモはほくほくと柔らかく、それだけでもおつまみになりそうだ。ニンジンやタマネギもよくなじんでいる。注意深く味わうと、かすかにカラシのようなピリっとした辛さが利いている。
このポテトサラダもまた、かつのたっぷりした脂と肉汁に舌が負けないための助け、いわゆる「箸やすめ」になる。もっともカツの上にポテトサラダを載せてもなかなかいける。
さらにミソ汁はシジミが入ったやさしい味つけで、さっぱりと飲め、とてもほっとする。つけあわせ、汁もの、どれもみな、かつを引き立てるよう工夫してあるのかもしれない。すっかり感心しながらお店をあとにした。
住所:東京都品川区上大崎2-25-5